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はじめに
入学して間もない大学1年生の段階では、TOEICで何点取れるくらいの英語力を身につけておく必要があるでしょうか。
大学1年生に求められるTOEICスコアの水準や、目標点数別のおすすめ勉強法・スコアアップ法について紹介します。
【大学1年生のTOEICスコア】受験者全体のTOEIC平均スコアは623点
まずは直近に開催された2021年4月25日のテスト結果を見ていきましょう。
受験者全体の平均スコアは623点という結果でした。
内訳はリスニングが332.1点・ライティング291.1点となっています。
リスニングのほうが点数を稼ぎやすいセクションであることは、最近の試験でも変わりはありませんでした。
英語初心者にとっては、かなり高い平均点に感じられる点数です。
2019年には平均580点という結果も出ていたとおり、600点を超えるにはある程度の勉強がどうしても必要になります。
【大学1年生のTOEICスコア】大学生TOEIC平均スコアは574点
続いて、大学1年生に絞ったTOEICスコアの統計を見ていきましょう。
残念ながらこちらは、2019年よりも新しい情報が出されていませんでした。
2019年の平均スコアは574点で、内訳はリスニング315点・ライティング259点となっています。
全体の平均スコアよりも若干低いですが、大学1年生でも高得点を取っているレベルの高い受験者がいるとわかります。
大学1年生のうちからしっかり英語を勉強しておけば、600~700点越えも十分現実的な数字です。
学年別の平均スコア
学年別の平均スコアについては、IPテストから確認していきましょう。
こちらは本番のテストより、かなり全体的に点数が低くなっています。
IPテストは大学などで団体受験ができるため、受験者一人ひとりの試験に対するモチベーションが異なります。
公開テストを受ける方のほうが、しっかりした目的をもって試験対策をしているため、平均点にかなりの違いがありました。
結果は以下のとおりです。
大学1年生:433点(リスニング242点・ライティング192点)
大学2年生:477点(リスニング255点・ライティング191点)
大学3年生:485点(リスニング276点・ライティング201点)
大学4年生:514点(リスニング290点・ライティング224点)
全体平均:499点(リスニング253点・ライティング196点)
学年が上がるごとに平均点が高いのは、就活への意識が大きな理由になっていると考えられます。
【大学1年生のTOEICスコア】TOEICが就活に有利になるの?
履歴書にTOEICのスコアを記載する方は多いですが、採用担当者がどの程度チェックしているか気になっている学生も大勢いらっしゃいます。
TOEICで高得点を取っておくと、就活で有利に働くのでしょうか。
就活におけるTOEICの重要性についてまとめました。
TOEICのスコアだけでは評価につながらない
TOEICのスコアが高いからといって、それだけで採用が圧倒的な有利になるということはありません。
外資系など、語学が求められる企業でもそれは同様です。
TOEICのスコアは1つの判断基準にしかなっておらず、あくまで面接などで人柄・意欲などを評価したうえで採用が決まります。
一方、TOEICのスコアをボーダーライン・条件にしている企業も出てきました。
代表例は全社員に英語スキルを求める楽天グループ株式会社で、入社までに800点とかなり高いスコアを学生に要求しています。
TOIECのスコアが就活に有利になる理由
判断材料の1つとはいえ、TOEICのスコアで採用優先順位が左右されることも十分あり得ることです。
どちらの学生を採用するか迷ったときに、英語のスキルが決め手となる可能性があります。
特にグローバル化のなか、海外進出している企業・しようとしている企業にとって英語のスキルは魅力です。
ネイティブの方とコミュニケーションが取れるレベルの英語力があれば、かなり強力なアピールポイントになります。
TOEICで高得点を取れたのなら、履歴書に記載しておいて損はありません。
【大学1年生のTOEICスコア】就活で有利になるTOEICのスコア
就活で有利になるTOEICのスコアは、一般的な企業で650点ほどです。
しかし志願者のレベルが上がる人気企業では、さらに高いスコアでなければ強いアピールになりません。
人気企業では750点ほど取っていない限り、採用担当者に強みとみなしてもらえないでしょう。
もちろん、英語がどれほど必要かは業界や海外に拠点があるかによっても左右されます。
650点・750点というのは一般的な目安なので、就活目的でTOEICを受験するなら志望業界や企業によって適切な目標を定めることが大切です。
人気企業内定者の平均スコア
特に人気のある企業から内定を勝ち取る学生は、TOEICでどのくらいのスコアを取っているでしょうか。
マッキンゼー&カンパニーのような世界的な戦略コンサルでは880点、ゴールドマン・サックスのような一流の外資系銀行で900点ほどというデータがあります。
東大生でもなかなか取れない点数で、本当にトップ層の就活生しか現実的ではない数字といえるでしょう。
三菱商事株式会社・三井物産株式会社といった国内大手総合商社でも、880点ほどの平均スコアというデータがありました。
就活でこれら人気企業を目指したいのなら、本気で英語を勉強する必要があります。
文理別人気企業内定者の平均スコア
トップレベルの企業で文系・理系に内定者を分けると、文系のほうがやや内定者の平均スコアが高い傾向にありました。
戦略コンサルでは文系920点・理系865点、外資系銀行で文系920点・理系885点、国内大手総合商社では文系885点・理系878点というデータです。
しかしあくまで若干文系のほうが高い統計結果になっているというだけで、理系でも高い英語力を求められることは変わりありません。
理系でも世界的な企業で活躍したいなら、英語はほぼ必須スキルといえます。
【大学1年生のTOEICスコア】スコア別おすすめ勉強法!
ここからはTOEICの845点ホルダーが教えるおすすめ勉強法を紹介します。
TOEICは目標スコアによっておすすめの勉強法が異なるので、600点・700点・800点と目標を区切りました。
大学1年生のうちから平均以上のスコアを取りたい方は、ぜひ参考になさってください。
600点を目指す
まずはTOEICで600点を目指すための勉強法です。
600点も全体の平均点よりは上なので、しっかり勉強しなければ簡単に取れる点数ではありません。
しかしこの点数を取るために重要なのは基礎固めで、特別な勉強法をしなくても大学1年生のうちから十分狙える目標でしょう。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
TOEICに限らず、英語の勉強で必要なものはなんといっても単語力です。
おすすめの参考書は「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」です。
受験でもお世話になった重要基礎単語に加え、ビジネス英単語もカバーしています。
大学生は受験でターゲット・DUOといった単語帳で勉強しているはずなので、この単語帳に載っている単語もある程度は覚えているでしょう。
まずはこの参考書で、記憶から抜け落ちてしまった単語を覚え直したり、ビジネス英語に触れたりすることをおすすめします。
世界一わかりやすいTOEICテストの授業シリーズ
TOEIC受験者にとってベストセラーとなっている本の1つが、「世界一わかりやすいTOEICテストの授業シリーズ200」です。
リスニング・ライティングどちらの対策にも使えると評判がよく、この参考書からTOEICのテスト形式に慣れておくことをおすすめします。
また、解説が非常にやさしく丁寧な点もこの本のポイントです。
堅い参考書が苦手な方でも読みやすいので、600点を目標にするうえで非常に頼りになります。
TOEIC L&R テスト 究極の模試 600問+
つぎに「TOEIC L&R テスト 究極の模試 600問+」という本をおすすめしておきます。
この本はテスト4回分という大ボリュームなので、まず見た目の分厚さにインパクトがあるでしょう。
分厚さに圧倒されてしまうかもしれませんが、中身は生徒と先生の会話などが織り込まれており、飽きさせない工夫がされています。
1冊しっかりやれば基礎をかなり固められるので、受験者にとって大きな自信にもつながるでしょう。
また、問題ごとに選択肢の選択率も書かれているため難易度がわかりやすいのも特徴です。
600点を目標にするなら、正解率の高い問題でミスをしないようにすることを心がけましょう。
TOEIC公式テキストよりも解説がやさしいと評価する方も多くいらっしゃいます。
もちろんテストの予行演習にもなるので、ぜひ手に取ってもらいたい1冊です。
700点を目指す
続いては700点を目指すための勉強法です。
当然600点に比べかなりハードルは高くなりますが、やること時代は600点を目標にする方とあまり変わりません。
基礎固めの精度を上げ、答えられる問題で確実に加点することが大切です。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
700点を目標とする方なら、「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」はある程度わかっている単語も含まれているはずです。
すべてをおさらいしていくのではなく、知らなかった単語だけをピックアップして単語力アップに努めましょう。
世界一わかりやすいTOEICテストの授業シリーズ
「世界一わかりやすいTOEICテストの授業シリーズ」は、TOEIC本番の試験時間を想定した対策に利用できます。
効率よく解いていく方法についてもわかりやすく解説しているので、時間が足りない・時間配分をミスしたという理由で減点されないようしっかり対策しておきましょう。
この本は圧倒的にわかりやすいという評価が高く、大学受験を経てTOEICに挑む学生にも取り組みやすいという意見も多いです。
初級から中級レベルまで、かなりの範囲をカバーしてくれる点もすぐれています。
TOEIC L&R テスト 究極の模試 600問+
テスト4回分が収録された「TOEIC L&R テスト 究極の模試 600問+」は、700点を目指すうえでもぜひ役立てたいテキストです。
問題ごとの難易度を選択肢の正解率から把握できるので、700点を取っている人でもなかなか解けない問題・落としてもいい問題が見えてきます。
生徒・先生の会話が入っていて、集中力を切らさずに勉強を続けられるのもこのテキストの大きなメリットです。
模試を解いていくことには、苦手セクションの発見・時間配分法の習得・問題形式への理解とさまざまな効果があります。
試験直前だけでなく、定期的に模試を受けてテストに慣れておくことが重要です。
すぐれた模試形式のテキストは解説・フィードバックもしっかりしているので、ぜひ優先的に取り組みましょう。
苦手パートを補強する
模試を解いていくと、自分の得意分野・苦手分野がすぐに見えてきます。
点数の低いところのほうが点数を伸ばしやすいので、苦手を見つけたら集中的に勉強していきましょう。
特に600~700点といった目標を立てる場合、どの分野でもまんべんなく基礎問題を正解できるかはかなり重要です。
統計を見るとライティングのほうが平均点は低いのですが、リスニングを苦手とする受験者も多くいらっしゃいます。
これまでの勉強で英語を「聴く」時間が少なかったと感じる方は、意識的に増やしていくようにしましょう。
シャドーウィング
まずはリスニングの対策です。
どちらかというとライティングよりもスコアを上げやすい分野なので、しっかり時間をかけて取り組みましょう。
おすすめする勉強法の1つがシャドーウィングです。
実際にリスニング問題を声に出して読んでみましょう。
自分で正確に・流暢に発音できる英語は試験で出題されてもリスニングできるので、自分で発音できる単語・フレーズを増やしていくことが重要です。
発音した英語は録音しておいて、実際に正しく発音できているか確認しましょう。
800点を目指す
最後に800点を目指したい方向けの勉強です。
800点を目指す方となれば、600~700点の勉強法で紹介したテキストの単語・文法はある程度マスターできていることが前提となります。
精度を徹底的に磨き、落としても大丈夫な問題以外すべて正解する気持ちで試験に臨みましょう。
TOEIC L&R テスト 究極の模試 600問+
800点を目指すうえでも、模試型テキストで非常に評価の高い「TOEIC L&R テスト 究極の模試 600問+」は非常に頼りになります。
書籍・動画と受験者の好きな方法で全600問の解説を学べるという設計も非常に親切です。
会話形式のテキストで集中力が落ちにくい・問題ごとの選択率から難易度がわかるといった長所を活かして勉強していきましょう。
何回も模試を繰り返し、時間配分でつまらない失敗をしないようにしておくことは大切です。
このテキストはテスト4回分が入っており、繰り返すという勉強法をするうえでも役立ちます。
もし試験本番で時間配分を間違えてしまうと、本来の実力なら落とすはずのない問題も時間が足りずに落としてしまうことになりかねません。
本気で800点を目指すのなら、非常に難しく落としてもいい問題と、正解しておかなければならない問題を見極めるための目を磨くことも必要です。
基礎的な英語力に加え、試験のテクニックを身につけていくうえでもテキストを最大限活用しましょう。
苦手パートを補強する
800点を目標にするうえでも、苦手分野の克服は非常に大切です。
実際に800点を取ろうとする場合、リスニング・ライティングのスコアに極端な落差があると目標達成はかなり困難になります。
どちらのセクションでも正解率の低い問題が含まれていて、得意分野であったとしても満点に近いスコアを取るのは難しいためです。
苦手を見つけるためには、まず模擬試験で弱点を見つけ出すことが欠かせません。
自身が苦手とする分野を集中的に勉強し、効率よく得点アップを目指しましょう。
シャドーウィング
スコアを上げやすいリスニングが苦手な方は、シャドーウィングで発音できる英語を増やしていくことがおすすめです。
自分の口で発音できる単語やフレーズは、試験の問題として読まれてもよく聞き取れます。
いかに自分の口から自然に出てくるワードを増やせるかが、リスニングの得点アップで大きなカギです。
実際にリスニングの弱点を克服しTOEICで高得点を取った方の多くも、シャドーウィングを実践してきました。
試験勉強だけでなく、英語力を活かして「話す」シーンになったときにもシャドーウィングの経験は役立ちます。
洋画を見る
洋画や海外ドラマを見るのもリスニング力アップにおすすめです。
日常的にネイティブの方がよく使うフレーズも自然に盛り込まれているので、思わぬ気づきを得られることもあります。
映画・ドラマ好きの方なら、飽きずに勉強を続けられるという点も大きなメリットです。
普段の勉強法に疲れた際には気分転換にもなります。
もちろん、洋画以外にも役立つ動画教材はたくさんあります。
ビジネス英語に強い英語のニュース動画なども、興味があれば視聴してはいかがでしょうか。
英語を使った仕事に就くために
TOEICを受験する方には、将来英語を使った仕事に就きたいと思っている方も多いはずです。
英語を使った仕事に就きたいなら、培った英語力を実践する場も必要となります。
大学生のうちに英語で会話する機会が欲しいのなら、留学を検討するのがおすすめです。
スカイプなどの英会話教室も英会話を実践的に学ぶチャンスですが、留学は就活において大きなアピールポイントにもなります。
海外生活でやっていける能力・メンタルの強さがあるとアピールできるのは、海外で働く可能性のある企業に就職するうえで大いに役立ちます。
おわりに
TOEICで高いスコアを取るには、洋画などで毎日英語に触れ英語耳を作ったり、シャドーウィングでコツコツとマスターした単語を増やしたりするのがおすすめです。
大学1年生のうちから、将来を考えて英語・TOEICのために動いているのは非常によいことです。
今のうちから周りの学生に差をつけ、就活のときにTOEICのスコアを活かせるよう努力しましょう。
TOEIC対策で培った基礎力は、就活だけでなく留学や海外で実際に仕事をすることになった際も役立ちます。