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はじめに
大学の成績においてよく耳にするGPAについて、皆さんきちんと理解していますか?
GPAの見方や計算方法を今一度確認してみましょう。
GPAは皆さんの学校生活や就活に大きな影響を持つかもしれません。
GPAの意味を理解して、自分の成績を見つめなおしてみてください。
本記事ではGPAについての基礎的な情報をはじめ、GPAが就活に及ぼす影響やGPAを上げるためのコツまで網羅的にお話しています。
ぜひ参考にしてください。
GPAとは
企業が新卒採用でGPAを評価対象にし始めている、そんな話を聞いた就活生は多いでしょう。
GPAというのは、欧米の大学で採用されている学業成績の評価制度です。
大学では授業科目ごとにおおむね5段階評価などがされますが、その段階ごとにGP(Grade Point)を付けて平均値GPA(Grade Point Average)を割り出します。
このGPAが規定水準を超えないと卒業資格が与えられないわけですが、今まで欧米の大学で採用されてきたこの評価制度を、近年日本の大学も導入し始めたことはご存知でしょう。
これを企業が採用選考の際に利用し始めたことになります。
GPAを意識すべき学年
就活に影響するなら意識しなければならないと焦る3、4年生も出てくるかもしれませんが、実際意識すべきは1年生から全学年です。
大学によっては入学時から卒業時までの累積GPAの高い学生を表彰するなど、大学での学業全体を評価する意識が根底にあります。
もちろん、前学年でふるわなかった人が翌年から努力し、1年で成績をグンと伸ばしたとすれば当然評価されるべきです。
ただ、大学は当然のことながら学問を修めるために通う場所であり、自身のテーマを研究するために用意された環境です。
その環境を活かし、入学した瞬間からより高みを目指して努力を続けた人が評価されるのは当然でしょう。
就活のためだけに3、4年から慌てて結果を出そうとしても、浅はかな考えは見抜かれます。
GPAの計算方法
大学によって成績評価基準の段階はまちまちです。
段階も5段階とは限らず6段階の場合もありますし、3~4段階の場合もあります。
たとえば優秀な順にA~Eの評価がある場合や優・良・可・不可といった言葉で講師による判断が行われる場合もあります。
そのためGPAを導入している大学でもGPの振り分け方は一定ではなく、各大学で異なるのが一般的です。
ただGPA制度は外部の人間が客観的に見ても一定の評価基準となるべきものですので、最終的には5段階のポイント制に当てはまるよう割り振りをして評価することになります。
日本の大学が共通認識としている、ごく一般的なGPAの計算方式は以下の通りです。
在学中に履修登録した全科目の(GPA×単位数)合計÷履修登録した科目の総単位数です。
ただし、落第したものをGPAに含むor含まない、0点として計算するなど、大学によって解釈が異なる場合があります。
GPAの指標とは
GPAの基本的な計算方法がわかったところで、果たして出た数字はどう解釈されるのでしょうか。
大学ごとに異なるとしても、なんらかの基準がなければ成績が良いのか悪いのかが判断できません。
そこでGPAには指標が設けられています。
ただしテストの点数のように確実な基準とはいえませんので、あくまでもレンジで見る必要があります。
平均的な指標
まず平均的な指標としては、GPA自体を5段階のレベルに分けています。
それぞれの点数を上から順にまとめると、以下のような区分になります。
A:GPA3.7~3.5
B:GPA3.4~3.0
C:GPA2.9~1.6
D:GPA1.5~1.0
E:GPA0.9~0.0
Aが最も優秀であり、まさに申し分のない成績といえますが、Bももちろん優秀ですので問題はないでしょう。
平均的といえるのがCレベル、それ以下となるとかなり努力を要する成績であり、客観的に見ても評価できる内容ではありません。
解釈でもあるため、参考までに
GPAはそもそもまちまちである大学ごとの成績評価を、第三者が客観的に理解できるようにするためのものです。
ざっくりとした通信簿のような参考資料であり、実際にどのような学業を修めたか、どのような成果を得たかはなかなか判断しにくい部分も含まれていることは承知しておきましょう。
ただそうはいっても、大学1年から4年までずっとGPA 0.9~0.0のレベルでは、さすがに何をもって学修したのか疑問視されても致し方なくなります。
先にも触れましたが1年生の時からしっかりGPAを意識し、自然に周りから認めてもらえるような成績を収めていくことが、後々焦らなくて済むための対策といえます。
GPA平均はどのくらい?
GPAの平均は大学によって異なりますが、2.5~3.0くらいとみておきましょう。
2.5は成績にB評価もある程度含まれているような成績の状態を指します。
3.0は成績が全般的にA程度、若しくはそれ以上であることを示します。
高校の成績でいうと3~4程度と同等といえるでしょう。
3.0を超えてくると十分成績は優秀だと考えられます。
GPAは就活に影響する?
ここまで、GPAの基本情報についてお話してきました。
ここからは、GPAと就活の関係性について説明していきます。
GPAはそもそも就活に影響を与えるのかについて考えてみましょう。
GPAが重視されるかは企業による
GPAが就活において重視されるかどうかは企業によります。
採用において全くGPAを評価に含まない企業もあれば、GPAの数値が就活の採用に大きく影響を与える企業もあるのです。
つまり、一応GPAは採用に影響する前提でいた方が安心だということです。
GPAを気にしておいて、実際は評価に影響を与えなかったという場合は何も問題ありませんが、GPAが影響しないと思っていたのに実際は採用に活用されたとなると問題です。
気を緩ませないという意味でも、GPAは就活に影響があると考えておくほうがいいです。
企業の規模に比例してGPA が重視される傾向にある
GPAが重視されるかどうかは企業の規模に比例していると考えられます。
一概にすべての企業が当てはまっているわけではありません。
しかし、企業の規模がGPAに影響している傾向にあることは覚えておきましょう。
企業の規模が大きいと、それだけ応募者も増えますね。
となると人をある程度明確にふるいにかけられる数的な評価が必要になります。
そこで一つ評価基準としてGPAが取り扱われることがあるのです。
他にもSPIの試験結果なども数字で明確に評価できる基準の一つですね。
大企業は一人一人の人柄や能力に目を通すことが難しくなります。
そのため効率的に学生をふるいにかけようとするとGPAが影響してくるのです。
企業がGPAを見る理由
ここで就活という目線でGPAを考えてみましょう。
新卒採用を計画する企業は、何をもってGPAを見るのでしょうか。
もちろん企業の人事は前述したような一般的な指標の意味合いも理解していますし、当然GPAだけで採用・不採用を決めるようなことはありません。
そもそも大学そのものの特性や評価もありますし、単にGPAが優秀だからといって企業で大活躍できるとも限りません。
それではなぜわざわざ、昨今GPAを採用評価基準の対象にする動きが活発化しているのでしょうか。
ある程度の教養はあるかどうか
企業が自社にマッチングし活躍してくれる新人を欲しているのは確かですが、それ以前に社会人として問題のない人物であることは大前提となります。
やはり年齢に相応な教養は必要ですし、それを確かめるためにWebテストなどを実施するわけですので、GPAをそうした一般教養の確認に利用する価値は十分にあるでしょう。
GPAは選考した授業全般の平均的な成績を知ることができる指標ですので、数値の高い人物は広く一般の教養を持っている可能性が極めて高いといえます。
営業など企業の顔として客先と接する業務であればなおのこと、さまざまな人たちとの協働が求められる現場において、信頼に値する人物と評価できます。
学業に励む姿勢を見るため
これは非常にシンプルなことですが、大学生の本分は学業ですので、学業にどれだけ真面目に取り組んできたかを知ることは大切なことです。
本分に励める人は仕事にも真摯に取り組む姿勢が期待できますし、言葉だけでなく数字として表されるGPAは、非常に便利な評価ツールといえるでしょう。
入学してから現在まで年月をかけた成果ですので、就活だからといって一朝一夕に築けるものでもありません。
真面目に頑張ってきた人なら、自分がすべきことにコツコツ取り組んできたことを言わずもがなアピールできますので、非常に強い武器にもなります。
企業目線でのGPA指標
GPAは数値としてズバリ出てくるものですので、企業がそれをどのように捉えるかは非常に気になる部分です。
一般的なGPA指標はありますが、各企業がそれを独自にどう判断するかは実にまちまちですし、ブラックボックス状態と言わざるを得ません。
たとえば合格レベルがどれくらいのレンジを持っているのか、どこまでが許容範囲なのか、有無を言わさず足切りとなってしまうレベルがあるのかなど、不安に感じる点は多いでしょう。
残念ながら明確な答えがあるわけではありませんが、一般的に言われている指標の捉え方についてまとめておきましょう。
大手企業
いわゆる一流といわれるような大手企業では、GPA3.7近辺を求めるところも少なくないと言われています。
先にも触れた通り、GPA3.5~3.7は最優秀レベルです。
こうした企業の社内には、さまざまな有名大学の歴代の首席クラスが並んでいることでしょう。
もちろんこのレベルに該当する成績を残し、我こそはと名乗りを上げるつもりなら、すでに強い武器を一つ手にしていることになりますので有利といえます。
ただし、各企業が明確に数値を公表しているわけではありませんし、あくまで推測です。
大手企業といってもさまざまありますし、単にGPAのみで志望をあきらめてしまう必要はない場合もあります。
逆に言えば、たとえ大学で首席クラスの最高GPAを誇る人でも、場合によっては採用されない可能性はあります。
何事も過信せず、一つの目安として捉えましょう。
中小企業
中小企業と一括りにしても、業績や職種が大きく異なりますのでこちらも一概にいえません。
ただ現在人手が足りていない中小企業が多いため、GPAに振り回されて不採用にするような企業があるとは考えにくい状況です。
一般的には、GPA2.7程度が合格の目安と言われますので、まさに指標としても平均的なレンジといえるでしょう。
最も中小企業は学校の成績より人柄に重きを置く採用が多く、GPAを参考にする企業も真面目な人となりや物事への取り組み方の一つとしてみる傾向が強いでしょう。
志望する企業があるなら、あまりGPAがふるわないからといってあきらめてしまうのではなく、働く意欲や経営方針への共感などを前面的に打ち出したほうが得策です。
ベンチャー
中小企業同様、ベンチャー企業はGPAをほとんど見ない傾向があります。
今まで世になかった新しいビジネスを育てる企業ですので、学校の勉強ができるできないより、意欲や好奇心、理念への共感などを重視することが多いでしょう。
ただもちろん、成績が良いならプラス評価にはなりますし、専攻が事業の方向性と合っている場合や業務に役立つような内容であるなら武器になります。
アピールに使う分にはどんどん活用してOKですが、それだけに頼らず、意欲ややる気、経営方針への共感などを見せるのがおすすめです。
GPAを上げるには履修登録を工夫しよう
GPAは学生の本分である学業に真面目に取り組んでいれば、そこまで厳しい状況にはならないものです。
就活のために少しでもGPAを上げようと考えるなら、効率的に単位を取得する方法を実践するのが良いでしょう。
大学1年生の頃からしっかり対策していれば、後々焦る必要はなくなります。
また、効率良く単位を取得して第三者にもわかるような実績を残す行動は、ビジネスにおいても大いに活用できるスキルです。
物事の本質をよく見ること、周りの状況をよく知ることが成功の秘訣ですので、ぜひトライしてみてください。
ビジネスの基本は情報収集ですが、実はGPAを上げる施策も情報収集がカギとなります。
自分が履修する可能性のある科目は徹底的に情報収集し、講義内容や評価方法、配点なども含めてシラバス(講義要項)を細部までチェックするのが基本中の基本です。
特に各講義をタイプ別に理解することが重要になります。
必修講義は致し方ないですが、選択できるなら自分の得意とするタイプを選び、バランス良く時間配合することで成績を収めやすくなります。
楽単
楽単、ラク単と呼ばれるのは、楽に単位が取れる科目です。
講義のタイプとしてはさまざまですが、ほとんどが口コミで広まっている噂なので、聞き逃さないよう回りから情報収集しましょう。
もっとも、シラバスに楽に単位を取れるなどと書かれているはずもないので、友達に聞いて回ったり先輩に聞いて回ったりする必要があります。
楽になる理由は、講義に出席しやすい、テストが簡単、講師が優しいなどさまざまです。
いずれにしても単位を取得しやすく、少しでも稼げるなら取りに行くのが得策でしょう。
出席しなくてもテストだけで評価
「出席しなくても良い」などという講義はあり得ませんが、シラバスにある評価基準がテストのみになっている場合、たとえ一度も出席しなくても単位を取れる可能性があります。
評価基準に定期試験のみ、もしくは定期試験重視と書かれている講義はとりあえずチェックしておきましょう。
このタイプは平常時に必ず出席しなければならないプレシャーやレポート提出、課題提出などの労力がないことが最大のメリットです。
ただしその分、テスト一発勝負なので、ハイリスク・ハイリターンだということは意識してください。
当然、テストの点が低ければ単位を落とします。
もっとも、毎回きちんと講義に出ていても点数が低ければ単位は落とすので、出欠に関係なくハイリスクといえるでしょう。
出席を評価
出席を評価する講義は、前項のタイプとは真逆で講義に出ることを最重要視するタイプです。
実習が多かったりレポートや課題提出が多かったりする講義であることが多く、平常時はかなり忙しく時間と労力を取られるタイプでしょう。
必修科目である場合も多いため、すべてを避けて通れるケースはまずありません。
ただしこのタイプは真面目にコツコツ講義を受けていれば、たとえテストで悪い点数を取ってしまっても単位は貰える可能性が高いのが大きなメリットです。
専攻の必修科目なら、まず優先的にスケジュールを組んでしまいましょう。
自由選択の場合は、定期試験などここぞという時のプレッシャーに弱く、毎日地道に取り組むことに向いている人におすすめです。
テストが簡単
テスト重視、テストのみというタイプでも、平常点とテストの点数を総合的に見るタイプでも、やはりテストが簡単な科目は狙い目です。
これはシラバスでは得られない情報ですので、友達や先輩、周りの噂などに聞き耳を立てて情報を収集してください。
なんのテストでどんな問題が出た、なんの講義は点を取りやすい、設問が少ないなど、大学内にはたくさんの生の情報があふれています。
一概にいえませんが、講師が優しく、できる限り単位を取らせてあげたいと考えている場合は、テストの内容もできる限り優しくなる傾向があります。
楽単にも通じるところがありますが、講師の人となりなども考えながら、履修登録をする際にはいろいろな情報を集めるようにしましょう。
GPAを上げるためには自分のスケジュール管理も大切
履修スケジュールを決める時に、1~2年のうちに詰め込めるだけ詰め込んで、後を楽にしようと考える人もいます。
夏休みの宿題を最初のうちにやってしまおうというタイプですが、無理に詰め込みすぎると途中で断念してしまいがちなので、やはりバランス重視でいくのがおすすめです。
とはいえ自分を甘やかしすぎて、3年になってから単位が足りないと焦り出すのも困りものです。
夏休みの最終日に宿題が山積みになってしまうタイプですが、落ち着いて就活を始めるためにも、最初から段取りを組んで計画的に進めていきましょう。
自分のやりやすいスケジュール感を掴もう
勉強の難易度でもはかどり方は変わりますが、それ以上にやりやすいか否かで単位取得は大きく影響されます。
何事も自分のやりやすいペースに合っていればサクサク進みますし、常に無理をしているようではいずれ挫折してしまうでしょう。
高校までは学校側がすべての時間割を定め、生徒はそれに従うだけでした。
でも大学では、いつどんな講義を取るか、どのようにスケジュールを組むかはすべて自分次第です。
自分で好きな勉強を選び、好きな時間に組み込めるのは幸せなことです。
最初はリズムが掴みにくいかもしれませんが、いろいろと試してみて、早い段階で自分に向くリズムやスケジュール感を掴みましょう。
こうした自己管理は社会人になってからとても活かせるスキルですし、慣れておいて損はありません。
朝方?
多くの学生がつらいと言うのが1限目です。
先輩などから、なんの講義を取るにしても、1限目だけは絶対に入れるなとアドバイスを受けたことのある人もいるのではないでしょうか。
理由は、だいたいの学生が早起きを苦手にしていることです。
1限目は9時スタートが一般的ですが、平常時ならまだしも、テストの日に寝坊したら一発アウトで単位を落としてしまうため、避けたほうが良いと言われるわけです。
ただ、自分は朝型だというなら別にアドバイスを気にする必要はありません。
こうした理由で1限を取る学生は少なく、空いているので講義が聞きやすいですし勉強もはかどるでしょう。
平常点を重視する講義であれば、朝型の人にとっては出ているだけで楽に単位が取れる楽単に早変わりする可能性もあります。
昼型?
学生は昼の講義に集中しますので、いっぱいにならないよう人気の講義は早めに席を確保するようにしましょう。
1日の講義数はおおむね1日3~4コマ入れる人が多く、特定の日にまとめて講義を入れることで効率は上がりますが、試験も重なるのでそこも考慮する必要があります。
全休を作る?
前述の通り1日に講義を集中し、全休の日を作ることで緩急をつける人も少なくありません。
空いた日はアルバイトを入れたり、ほかの勉強や趣味に費やしたりすることができますが、もし何もないとただダラダラと過ごしてしまうタイプなら、作らないほうがおすすめです。
ただし時代は週休2日ですので、そのリズムは作っておいたほうが、あとあと生活のペースを作りやすいです。
たとえば1日5コマ取る日を1週間のうち3日間ではなく、1日3コマにして週5日大学へ通うほうが良いでしょう。
詰め込むだけ詰め込んで、何もしないダラダラとした日を作るのではなく、全体的にバランス良く通学し、週の休日2日は好きなことを自由にするというスタイルがおすすめです。
おわりに
GPAの仕組みや就活言向けたGPAへの理解は深まりましたでしょうか?
GPAは必ずしも就活に影響があるわけではありませんが、自分がいかに学校生活における勉強を頑張ってきたのかを示す証明になります。
自分の強みとしてアピールできるポイントにもなりますから、GPAをあげることを意識して過ごしてみましょう。