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はじめに
就活で大切なのは就活の軸を持つことです。
あまりにも聞く言葉なので、そろそろ耳が痛いと感じている人もいるでしょう。
ただその必要性は、実際に就活を終えたたくさんの先輩たちが認めるものです。
とあるアンケートでは、就活を終えた実に7割近くの人たちが、就活の軸の必要性や大切さを訴えています。
これは単に面接官を納得させるために用意するものではありません。
本当に自分のためになる就活の軸の見つけ方について、詳しく解説します。
【自己分析から就活の軸の見つけ方】就活の軸が大切な理由
就活の軸が大切な理由は、シンプルに言って「求める就職先を見つけるため」です。
人は誰でもさまざまな夢や希望があります。
そう言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、単純に言えばそれは「本音」です。
毎日楽しく働いて定時きっかりに帰り、十分な給料をもらって自由に生きたい、こうした本音は誰にでもあります。
それらをまるまる実現するのは難しくても、そこに近づくために必要なのが就活の軸です。
そう考えれば、就活の軸探しは面接のためではなく、自分のためだと理解できるのではないでしょうか。
軸があると企業選びに失敗しない!
就活の軸があれば、企業を選ぶときにブレにくくなります。
すべての希望を叶えてくれる企業はなかなかありませんので、あの企業はここが良い、この企業はここが魅力だと考えていると迷いが生じます。
だからと言って、最初から1つの企業に絞りすぎるのは得策ではありませんので、就活中はなるべくたくさんの企業を見て、視野を広げた方が良いのは事実です。
迷いが生じそうになったとき、方位磁針のように自分にとって正しい方向を示してくれるのが就活の軸です。
何を優先すべきか、必然的に自分が行きたい企業はどこなのかが理解できるようになるため、軸は企業を探し始める前にしっかり見つけておくのが正解です。
就職活動をスムーズに行うことができる
最初に軸を決めてしまえば、後はそれに沿って自由に行動できます。
もう手の中に方位磁針はあるわけですから、行きたいところへ積極的に出かけていって道を探すことができます。
学生にとって自分が社会人として働くということが、いまひとつリアルにイメージできないというのも事実でしょう。
ただ軸が見つかったということは自分の将来が明確になったということですので、就活に限らず将来の自分の姿をしっかり想像できるというメリットがあります。
どうなりたいからこの企業を希望する、これがしたいから応募するというように、具体的な行動を選びやすくなることで就活がスムーズに進むでしょう。
【自己分析から就活の軸の見つけ方】就活の軸を見つける!自己分析の必要項目
就活の軸を見つけたいけれど、そもそも軸とは何なのか、具体的にどのようなことが「軸」と呼べるのかがわからないという声もあります。
結論から言えば就活の軸はその人だけのものであり、相手企業との合う・合わないはあっても、正解・不正解はありません。
ただ、あまりにも限定してしまうと身動きが取れませんし、漠然としすぎていると自分でもよくわからなくなります。
そこで重要となってくるのが、自己分析による軸の導き出し方です。
過去の経験を思い出す
軸は価値観から生まれますが、人の価値観は生きてきた中での経験から形成されるものです。
つまり軸を探したいなら、過去の経験を洗い出すところからスタートさせる必要があります。
これは自己分析ではセオリーですが、最初は何も限定せず、過去の思い出をたくさん思い出してみてください。
子どもの頃からの自分の行動、覚えていることなどをすべて書き出してみるのが一番です。
できればあまり思い出したくない経験も書き出すことをオススメします。
たとえ小さな子どもでも生きていれば挫折することはいくらでもありますし、苦い思いや反省もたくさん生まれるでしょう。
でもそうした陰に、自分が本当に求めているものが隠れている場合もあります。
時間はかかりますが、ここは1人でじっくり思い出してみることをオススメします。
過去に打ち込んだことは?
自分の価値観を形成しやすい行動には、夢中になる、時間を忘れて打ち込むといった傾向があります。
書き出した思い出の中から、これは打ち込んだと思えるものをピックアップしてみましょう。
ただもしかしたらそれは、必ずしも自分から好きでやっていたものではないかもしれません。
あらゆる可能性を排除せずに、打ち込んだ、時間を費やしたというものを選んでみてください。
打ち込んだことの行動の動機を考える
打ち込んだことは、なぜ打ち込んだか動機があるはずです。
とても小さい頃だと、自分の意思がそこにあったかどうか定かではない場合もあります。
気づいたらやっていたというものもあるかもしれませんが、人が何かを継続するには一定の動機が必要です。
やるかやらないかの選択の中で、自分はやる方を選び続けた、そこにはやはり何らかの動機があったはずでしょう。
もしかしたら単にご褒美がほしかったということかもしれませんし、なぜか楽しかったというだけかもしれません。
動機は物事の起こるはずみでしかなく、意識的な場合もあれば無意識的な場合もあるので、そのときにどんな気持ちでやっていたかを思い出してみましょう。
始めた理由
打ち込むことになるとは思わず軽い気持ちで始めたものもあるでしょうし、理由は曖昧かもしれません。
子どもの頃は親が決めて始めさせる場合もありますし、友達がやり出したので自分もつられたということもあります。
きっかけがささいなことであれば、それはそれで構いません。
ただ中には何か感動や衝撃を受けて始めたというケースもありますし、なぜか突き動かされたという事実が隠れているケースもあります。
本で読んだ誰か、動画で見た誰か、身近な誰かに憧れて始めたという場合もあるでしょう。
それを探ることで、自分がどんなことに心を動かされるかがあらためてつかめます。
努力をしようと思った理由・努力ができた理由
動機はきかっけでしかなく、ちょっと思い立って始めてみたけれどすぐにやめてしまったという場合もあります。
打ち込むまでに至るには、やはりさまざまな努力や葛藤があるはずで、そこに大きなポイントが潜んでいると言えるでしょう。
ステップが進めば当然課題は難しくなりますし、ハードルがどんどん上がって壁になることもあります。
努力はそれを超えるためにすることであり、なぜ超えたいと思ったのか、なぜ難しいことをやろうと思えたのかが大きなポイントです。
また、たとえば、「負けたくなかった」という気持ちでも、誰か相手に負けたくないという気持ちと、逃げる自分を許したくない、自分に負けたくないという気持ちとでは意味が変わります。
ここは大切なポイントなので、丁寧にそのときの気持ちを洗い出してみてください。
どんな挫折があった?それを乗り越えた方法は?
努力と挫折はセットで訪れやすいので、努力したことを思い出したときに挫折についても思い出してみましょう。
挫折感には大小あるので、人によってはさほど思い出すことはないかもしれません。
いずれにしても、つまずいたことに対してどのように対処したか、乗り越えたときの考え方や方法をまとめるのがオススメです。
ここには性格があらわれやすく、たとえば、走り込みで合格タイムが出ないときに、とにかく練習量を増やして克服する人もいれば、フォームやウェアなどを研究する人もいます。
対処法にこれといった正解があるわけではありませんので、自分の人となりを分析するためにも、どのように考え行動したかを思い出してみてください。
経験の結果、学んだこと
課題に突き当たり、それに対し努力や工夫をすることで乗り越えたという経験は、どんなものでもとても貴重で大切な自分の財産です。
なぜならその結果得るものは必ず何かしらあるわけで、それをあらためて自分で認識することで、より価値を生むことができます。
学んだことは必ずしも輝かしい成果ではなく、反省に値することかもしれません。
たとえば、課題に対してがむしゃらにやってみたら空回りし、結局もっと効率的な方法があることを学んだというようなケースです。
いずれにせよ、自分が実際に経験したことで教訓を得て、それが深く自分に刻まれたと言えます。
こうして得た知識や知恵は一生失われることはなく、誰にも奪えない大切な財産となります。
その後自分にどのような影響を与えたか
経験によって得た知識や知恵は、その後の生活に何かしらの影響を与えるのが普通です。
おしゃべりが過ぎて人を傷つけ後悔した人は、次に人と会話するときには相手を傷つけないよう相手の気持ちを思うようになります。
こうして社会的な価値観を少しずつ形成し、私たちは社会を創っています。
社会人として組織で働く以上、そうした組織や社会における立ち居振る舞いを身につけたうえで、貢献できる成果を残すことが必要です。
探しているのは就活の軸ですので、自分が自分の経験から得た財産を活かしつつ、相手企業や社会から自分が活かされる方法を見つける必要があります。
こうした経験があるから今の自分がいる、そして自分がしたい仕事、すべき仕事はその延長上にあるのだとわかれば、もう迷わない就活の軸が見つかるでしょう。
複数の経験の中での共通点を見つけよう
自分が社会で生きるうえでの価値観を探るため、さまざまな思い出から経験を洗い出すことができました。
今度はそうした経験の中から、もう一歩深く踏み込んだ部分まで掘り下げてみましょう。
大学生になるまでの人生ですから、複数の経験が挙がっているはずです。
そうした経験同士を比べてみて、それぞれの中から共通点を見つける作業に移りましょう。
この作業は、1つひとつの経験がさほど深いものでなくても、総合することで自分の傾向を探ることができる分析作業にあたります。
一見異なるように見える思い出でも、その陰には自分が持つ同じ価値観や考え方が潜んでいることが大半です。
ただしここでは、自分がどんなときにアクティブな行動に出られるのか、積極性に主眼を置いて掘り下げてみてください。
自分の物事に対するモチベーションを探すステップになります。
経験でのモチベーションややる気に繋がったものは?
自分の挙げた経験から、何がモチベーションややる気に繋がったかを考えてみましょう。
先にも少し触れましたが、単にご褒美がほしかったというものでもまったく構いません。
つまりその場合、何か行動を起こすためには対価を求めるという性質が見えてきます。
ただし、自分にとってご褒美だと思えるものが何なのかによっても、モチベーションは大きく変わってきます。
何がどうなったら自分は満足できるのか、そこまで掘り下げてみてください。
成果を誰かに褒めてもらいたい、完了することで達成感を得たい、人によって満足の内容は千差万別です。
複数の経験で共通する満足感を知ることで、自分が何をモチベーションにするかがわかるでしょう。
自分はどのような状況のときにやる気が出るのだろうか
モチベーションが発揮されるのに、環境が関係することが多々あります。
これは外的要因となりますが、社会生活をするうえで非常に重要なポイントです。
たとえば、多くの人に注目や期待をされると俄然やる気になる、頼られると気分が高揚するという人もいるでしょう。
まったく逆で、誰もいない一人きりの状況になったときに、俄然高いモチベーションが発揮される人もいます。
もちろんこれも正解・不正解がある話ではなく、仕事をするうえでのマッチングに影響する要因です。
何か困った状況になったときに能力を発揮する人もいれば、周りがのんびりゆったりしているときこそ、あれこれ働きたくなる人もいます。
自分がどのような状況にやる気を出すか、これも過去の複数の経験が教えてくれるでしょう。
今後、どのようなことを意識すればモチベーションに繋がるのか
いかに面白くやりがいのある仕事でも、続けていれば徐々にモチベーションは落ち着いてくるものです。
慣れてくるとやる気が出ない、新しいことに挑戦したくなくなるというのは多かれ少なかれあることですが、働く以上、そうした意識もコントロールする必要があります。
自分がどのような状況でやる気を出すのか、モチベーションをアップする方法を知ることは、社会生活を続けるうえでとても大切なことです。
1つの目的を達成してしまうともぬけの殻になってしまうというのでは困りますので、毎日どこに目標を置いて仕事に臨むか、気持ちの作り方を知っておきましょう。
これは就活時だけでなく、ライフワークを考えるうえでもとても大切なことです。
【自己分析から就活の軸の見つけ方】自己分析から就活の軸の見つけ方
効果的な自己分析ができたところで、適切な就活の軸を見つけてみましょう。
ここまでしっかり自分の傾向がわかっていれば、おそらくすでにだいたいの方向性は見えて来ているはずです。
最後に重要なのは、そうした自分の傾向や価値観を活かせる環境を探すという視点です。
自己分析では自分の内面にだけ目を向ければ良いですが、今度は業界や企業といった外部に目を向け、マッチングを考えることも必要になってきます。
やる気に繋がること=自分の頑張れる環境
やる気になれる職場というのはとても恵まれた環境と言えますし、社会人の誰もが望むことでしょう。
就職するならぜひそうした先を探したいところですが、どの企業が自分にとって理想となるかは人によって異なります。
大前提として、自分が頑張れる環境がどういった環境かを自分で理解していなければなりません。
これは先に終えた自己分析からも推察できますが、それと並行して外的要因にも目を向ける必要があるでしょう。
個人の裁量に任せてもらえる方がやる気が出る人もいれば、常にチーム単位で動きたい人もいます。
自分の良さを発揮できてこそやる気になれますから、自分の性質と周囲との関係性にも目も向けてみましょう。
自分にはどのような環境が必要なのかを分析する
今までの経験で、自分が能力を発揮できたなと感じられる環境がどのような環境だったかを分析してみましょう。
先ほどはあくまで自分の性質により、自分がどのような状況でやる気になれるかをメインに考えました。
ここでは自分のやる気とは別に、実力を発揮できた環境を考察してみます。
大きな組織で大人数の中にいる方が能力を出せるのか、それとも限られた人数の中でこそ輝けるのか、自分が成果を出しやすい環境というものは必ずあります。
スポーツで考えればわかりやすいですが、団体戦の方が強い人もいれば個人戦の方が強い人もいるでしょう。
複数の経験から成功例や実績を出せた例をピックアップし、自分に必要な環境を分析してください。
自分に必要な環境=仕事において重視することである
自分に必要な環境、自分が能力を発揮できる環境からは、自分の価値観を探ることができます。
もちろんどれが正解ということではなく、一人ひとり全員異なる答えになるのが普通です。
「たくさんの人に出会える環境」を求める人もいれば「自分の研究分野を活かせる環境」を求める人もいます。
「残業がなく土日祝日は休みで、結婚しても仕事を続けられる環境」というのでも良いでしょう。
こうした内容からは、自分が仕事において何を一番重要に考えるかがわかります。
分析において面接の受け答えのために取り繕う必要はまったくありませんので、自身が真に重視することをしっかり洗い出してください。
重視すること=就活の軸
自分が仕事に対して何を重視するか、この点さえクリアになれば就活の軸探しは完了です。
最初から一足飛びにここまで来られるなら、必ずしも手順を追う必要はありません。
出す答えは人それぞれですが、とにかく分析においては取り繕わないこと、建前で作成しないことが何より重要です。
自分で自分に噓をついても始まりませんので、これから人生の時間を費やす「仕事」というものに対して、果たして自分はどのようなことを重視しているのかを知りましょう。
先輩方の軸もさまざまです。
「地域の生活を支えたい」「社会格差を解消したい」というように、大きな社会に対する貢献度を重視する人もいます。
「社内の雰囲気が良い」というように、社風や風土を最重要視する人もいます。
いずれにせよ、働くのは自分です。
自分が本当に納得し、モチベーション高く働ける職場を探すために、就活の軸は重要な指針となるのです。
まとめ
就活の軸を持つことと、それを適切に探すことはとても大切です。
人に言われたからでも面接対策としてでもなく、自分自身のためにしっかり分析し、つかんでおきましょう。
軸が見つかれば、就活が想像以上にスムーズに進む場合もあります。
人生の大半を費やす「仕事」というものと有意義に向き合うために、ぜひ実行してみてください。