はじめに
履歴書やエントリーシートを見ていると、長所や短所などの性格について書くところがあります。
端緒というと選考に悪い影響を与えそうなのですが、どう書けばよいのでしょうか。
また、書かないという選択肢はあるのでしょうか。
考えていきましょう。
履歴書、ESに短所を書く意味
まず、履歴書やエントリーシートにはほぼ必ずといってよいほど、性格面に対しての部分が出てきます。
特に長所や短所という形で書類を書くことが多くなっています。
ですが、そもそもどうして短所を書く必要があるのでしょうか。
意味としては、その人が本当に自分を客観視できているか、ということを知るために行う場合があります。
そもそもその人が自分がどういう人間か把握しているかどうかということは、仕事を行ううえやオフィスでさまざまな人と過ごすうえで大事なことになります。
どういう点が欠けており、どういう点をどう補おうとしているかというところまで見るので、基本的に短所がないという書き方は望ましくありません。
もう一つの意味としては、短所がないという自信過剰な人間はときオフィスやビジネスの場でトラブルを招くことがあるためです。
自分は欠けたところがない完璧な人間だと主張するのは、まだ日本では自信過剰と捉えられがちです。
特に自信過剰になりすぎると職場でトラブルを起こしやすい場合や仕事の場で他人に対するリスペクトが足りず無用なトラブルを起こしやすい、などの性格上の欠点があるためです。
実はこういった人を排除するために、短所を聞くことがあります。
また、短所がはっきりわかることで、その人の職業適性がわかる場合もあります。
また、その人なりに仕事を上手に運営していこうとする戦略がわかることや会社に新しい風を吹き込むこともできるかもしれません。
短所をあえて活用する企業や短所をメリットに作り替える企業などもあるので、短所がないことが望ましいとはいえない傾向もあります。
履歴書、ESに短所を書くときのコツ
履歴書やエントリーシートに短所を記入するときには、いくつかの書き方があります。
ただ後ろ向きな点を箇条書きするだけではよくありませんので、コツを紹介しましょう。
1長所と短所を書き出す
まず、大体短所のみを問うことはなく、大体は長所と短所を書きます。
このため、短所を書く場合は長所と短所を書くというのが基本になります。
このとき、どうしても自分の長所や短所がわからないなら、どういうところがあるのか、これまで性格についてはどのような言われ方をしたのか思い出して書き出してみてください。
自分はこういう人間だと伝えるためには、客観的に自分がこういう人間だと言われたという過去の経験から書き出し、自分の長所も短所も含めて書き出してみるとわかる場合があります。
2短所は1つに絞る
次に、短所がいくつもあるという人でも、逆にまったくないという人でも、必ず一つは書いておきましょう。
最低限この短所だけはある、ということをきちんと書いておくのが基本です。
なお、これは長所を書くときにも通じるテクニックです。
いろいろな性格上の美展や欠点があるのが人間ですが、その中でも特にこれというものだけを抜き出して書くようにしましょう。
特にいくつもの点を書くと矛盾が起きやすくなり、また文章が重く暗いものになってしまうこともありますから、注意が必要になります。
3長所と短所が表裏一体となるように構成する
最後に、短所と長所は表裏一体となるようにしておいてください。
短所があることは長所があることでもありますし、その逆もまたいえることなのです。
たとえば「優しいが優柔不断」「主体性があるが気が強い」などの性格特性が表裏一体となっているのであれば、特に問題はありません。
ただ「優しいのが長所だが気が強い」とか「神経質だががさつ」というのは矛盾しており、面接官に混乱を与えます。
短所を空欄にするのは逆に印象がよくない
さて、それでは短所を書かないのはどうなのか、ということにも触れておきましょう。
結論からお伝えすると、そもそも書かないのはよくないものなのです。
この理由はいくつかありますが、一つはそもそも履歴書やエントリーシートに空欄があることそのものが望ましくないためです。
履歴書やエントリーシートはその企業が聞きたいことを表した書類ですので、性格についても触れるのは基本です。
履歴書やエントリーシートにそもそも空欄があることは、書き損じや触れてほしくないなどの邪推を生み、その結果仕事ができない人や指示に従わない人、精神的に不安定な人なのでは、と見られてしまいます。
このため、そもそも空欄を作ること自体が望ましくありませんし、変な邪推を生みかねませんので、必ず埋めるようにしましょう。
次に、エントリーシートや履歴書は必ず性格に触れる部分があります。
性格については工夫して伝えることで、マイナスもプラスに伝えることができるでしょう。
このとき面接官は履歴書上でのプラスの伝え方をチェックしていますので、どういう風に伝えるのがよいか、ということをきちんと判断して、言い回しを工夫すれば選考にマイナスにはなりません。
マイナスをプラスに伝えることができるようになれば、あなたの魅力もより増して伝えられることができます。
また、あえてマイナスがないということを好ましく思わない企業もあります。
マイナスがない人はこの世の中には存在しませんし、自分は短所がないということをよく思わない人も少なくないのです。
逆にこういった反応をすると傲慢な人だと捉えられる場合や性格が悪いと判断される場合もあります。
よく気を付けておきましょう。
そしてネガティブなことをきちんと把握しているか、適切に対処できているかどうかをチェックする時間でもあります。
短所を伝えるときには必ずこういう特製でこういうところがあり、こういった対応をしているということを伝えるのが基本です。
こうするとネガティブな内容を把握し、積極的に対応しているということを伝えられます。
注意したいのは、履歴書やエントリーシート内に性格について書く場合、短所をあえて書く必要はないということです。
というのも、性格特性や趣味・特技を聞く場合は多いのですが、このときに短所の項目をあえて存在させない企業もあります。
この場合には聞かれないような短所を書いてもアピールにはなりませんので、わざわざ書く必要はありません。
短所と長所を繋げた例
それでは、いくつかの例を出してみましょう。
例文①
長所は、根性があるところです。
幼稚園の頃からバレエをやっており、ある振り付けがとても難しかったのですが、何度も何度も練習して上達することができるようになりました。
また、開脚や回転などを上達したいため、ダンススタジオだけではなく家でも練習するようになり、また練習を工夫してより上達できるように自分でも練習法を考え、調べて上達できるように工夫しました。
逆に短所は割と集中しすぎて物事が見えなくなってしまうときがある、ということです。
さまざまなことに気合いを入れて取り組むので、友人たちからはたまに熱意が入りすぎだと指摘されることがあります。
このため、チームで動く場合や友人たちと一緒に過ごすときには、必ず友人たちがどう思っているのか、どうしたいのかを聞いてからいろいろと決めるようにしています。
例文②
私の長所は、とにかく優しいところです。
ボランティアで小学校への読み聞かせを行くことや老人会の運営をお手伝いすることなどを行っていました。
そのときにさまざまな人にありがとうと言われることやまた来てねと言われるのがうれしいと感じており、就職後も続けたいと思っています。
短所は優柔不断なところで、あまり物事を選ぶスピードが速くない点です。
やることがいくつも及んでいる場合にどれから手をつけようか迷うことがあります。
このため、できるだけ積極的に動くように、まずは自分の中で行動基準を決めて、それから行うようにしています。
たとえばすぐにできることはすぐに行う、何か物事を決める場合はどういう点を重視するか、その理由は何かを考えてから決めるようにしています。
例文③
長所はとにかく積極的なところで、友人たちとイベントを行ったり、自分で演劇サークルを立ち上げてリーダーをやるなど、さまざまなところに顔を出したり遊ぶのが大好きです。
企業でもさまざまな人と関わり、積極的にいろいろなことを提案できる営業職を希望しており、今後も人脈を広げていきたいと思っています。
短所はその分強引だと思われたり、強気だと思われるところです。
時に迷ったりすることもありますので、強引なだけではだめだと思っており、さまざまな代替案を出すなどの考えを行っています。
また、いろいろな人と関わることが好きな分、いろいろな人と交流する中で配慮をすることを身に着付けいるので、サポートや内勤の仕事も考えております。
テクニックとしては、自分の長所と短所をきちんと最初に伝え、そのうえでその性格特性を活かしてどういうことをしたのかをエピソードで伝えるのが基本です。
また、短所だけであればさまざまな伝え方があり、積極的に前向きに伝える他、性格特性上こういう仕事も考えているという伝え方をすると好ましく映ります。
また、上手に対処できていなくても、今後の課題はこれだと思っていますという形で伝える方法もあるので、その方法を採るのもよいでしょう。
まとめ:履歴書、ESの短所の書き方
もし履歴書などに短所を書く欄が設けてある場合は、書かないという選択肢はありません。
また書く場合は必ず長所と比較して、1つにまとめ、エピソードをつけて書けるようにしておきましょう。
なお、中には一言だけしか書けないようなエントリーシートもあります。
この場合は短所を一言で書き、面接で聞かれたときに自分の口からエピソードや考え方などを伝えられるように準備してください。