はじめに
日本では高校くらいになると文系と理系を選ばなければいけません。
それによって学ぶ分野を絞り、将来の道筋を決めていくのです。
そして、文理を決めることで定まってくるのは学ぶ内容だけではありません。
就職先も文系と理系では変化してくるのです。
今回は文系の就活生に対象を絞り、どのような戦略を立てて就職活動を行っていけばよいかを見ていきます。
文系の就職先ランキング
文系に進むにあたってはやはり語学に強いことは欠かせません。
英語だけでなく、ドイツ語や中国語などさまざまな語学に通じておけば就職で有利になりやすいでしょう。
実際文系が就職先を選ぶにあたっても語学を活かせる場所を選ぶ傾向が強いようです。
1番人気として挙げられるのは航空業界です。
全日本空輸、日本航空は日本の二大航空会社として知られていますが、どちらも文系学生から強い支持を集めています。
航空会社といえばパイロットやエンジニアになる道が思い浮かびますが、もちろん仕事はそれだけではありません。
そもそも空港にはいろいろな国からのパイロットや観光客が訪れます。
そのため、客室乗務員や空港管理官になるためには何よりも語学に通じていなければいけないのです。
安定した業界かつ、自分の学んだことを活かしやすいということで文系学生が航空会社を志望するのは必然ともいえるでしょう。
2番目に挙げられるのは旅行業界です。
こちらもやはり語学が活かしやすい業界といえるでしょう。
海外のさまざまなコーディネーターと交渉するためには、語学力が欠かせません。
また、旅行業界に携わるためにはコミュニケーション力が欠かせないところです。
コーディネーターと交渉するだけでなく、旅行客に旅行プランを紹介しなくてはいけないからです。
コミュニケーション力を学べる文系にとって、旅行業界はうってつけの就職先といえます。
3番目に人気があるのが銀行業界です。
銀行は昔から安定した業界として人気を集めてきましたが、依然としてその立場は揺るぎません。
銀行というと会計などの事務作業や会社との取引などが思い浮かぶところです。
数字を扱う業界ですので、どちらかというと理系のほうが向いている仕事に思われますが、文系でも能力を活かす場面はたくさんあります。
たとえばお金を貸すにあたって会社との交渉をしなくてはいけませんが、こうした場面では文系ならではのコミュニケーション能力が役に立つでしょう。
その他、保険業界や印刷業界、広告代理店などが文系の就職先として人気を集めています。
文系が就職する際に知っておくべき職種
就職する業界を絞り込んだ後はどの職種に就くかを考えておきたいところです。
せっかく志望していた企業に入ったはいいものの、自分とは合わない職種に就いてしまったから仕事がしづらくなった、ということが起きてはいけません。
そうしたことを防ぐためにも職種について知っておくのは欠かせないのです。
文系の学生が配属されやすい職種として挙げられるのは営業職でしょう。
会社の外に出て顧客や取引先と交渉を行うにあたってはコミュニケーション能力が欠かせません。
このコミュニケーション能力が長けている文系は、やはり営業職に抜擢されやすいのです。
営業職に就くメリットはなんといっても会社の扱う製品などに精通しやすくなるということです。
この商品のウリはどこにあるのか、どうしたら顧客に製品の良さをアピールできるか、ということを学ぶためには営業職に就くのが一番でしょう。
また、取引先とのコネクションを結んでおけば後々の仕事にも役立ちます。
新しいプロジェクトを進めるにあたって提携先が欲しい、というときにかつて営業でともに仕事をしたことのある相手と交渉ができれば、スムーズに仕事が進めやすくなるでしょう。
このように営業職に就いておけば、そこで培ったノウハウを出世などで他の職種に移った際に活かしやすくなるのです。
その他の職種としては広報職が挙げられます。
広報職もまた営業職と同様、自社で取り扱っている製品の情報を顧客に伝える職業です。
それ以外にも会社のイメージやどういう仕事を担っているか、ということをアピールするのも広報で行わなくてはいけません。
ここで重要になってくるのは、いかに訴求力の高い言葉を使ってアピールができるかどうかです。
言葉を使う仕事をするにあたっては、やはり文系ならではの言語能力が欠かせなくなってくるでしょう。
その他の職種としては人事職が挙げられます。
誰がどの職種に就いた方が効率が上がるか、ということを考えるうえでは人事の役目は重要です。
日頃からいろいろな社員と会話を行う中で、それぞれの適性を見極めなくてはいけません。
ここでも必要になってくるのはコミュニケーション能力です。
また、なんといっても人事職に就くうえで大切な業務といえるのが、リクルートです。
新しい社員を迎えるにあたって、エントリーしてくる就活生の適性を見極める仕事をこなさなくてはいけません。
文系と理系の就職の違い
文系と理系では就職活動に違いがある、というのはよくいわれるところです。
しかしながら、どんな違いがあるかは具体的にわからない、という人も多いのではないでしょうか。
理系の友達がいれば就職活動の内容もわかるでしょうが、忙しい時期ですからそんなことを話している暇はない、という事情もあるでしょう。
文系と理系の就職活動の違いを見極めておけば、自分の就職活動の方針を立てやすくなります。
そこでここからは文理それぞれの就職活動の内容について詳しく見ていきましょう。
まず一番の違いとして挙げられるのが、技術適性があるかを見極める試験があるかどうか、というポイントです。
一般的な就職活動においては、まずエントリーシートを提出し、筆記試験を受け、面接を行うという流れで選考が行われます。
一方で、理系の就職活動においては面接の前に技術試験が実施されるケースが少なくありません。
たとえば工場に就職活動をするなら、施工のスキルを見極める試験が行われるのです。
その他、理系の就職活動では学生時代に積み重ねてきた研究を発表させられることもあります。
これは民間の研究所のようなところならば必須ともいえる選考過程で、これによって研究所に就職するだけの研究力を持った学生かどうかを見極められるのです。
以上のことから見てわかる通り、理系の就職活動では学生時代に培ったスキルを明確な形でアピールしやすいといえるでしょう。
試験に合格できるだけのスキルがあれば内定を貰えますし、学生時代にしっかり研究を行っていなかったら内定は貰えません。
一見してシビアな世界に見えるかもしれませんが、こうすれば内定は貰える、という方針が明確にわかっているとも取れるでしょう。
理系と違って文系はそうした就活生のスキルを問うような試験は行われません。
ではどういったことをアピールするのかといえば、自分にはどれくらいの将来性があるか、という点を主張しなくてはいけないのです。
この人は将来すごいことをやりそうだ、と人事の方にアピールできれば、内定を得られる可能性は高まります。
一見すると曖昧な基準のようにも思えますが、常にビジネスチャンスが変わりやすい現代にあっては、ポテンシャルの高さは武器になりやすいのです。
その他、理系と文系の違いとしては就職先の幅広さが挙げられます。
理系は学生時代に研究した分野を活かした就職先を選ぶ傾向がある一方で、文系にはそうした就職先は明確に決められません。
文系が就職に有利になるための資格
就職活動をするにあたって、面接担当者にアピールするための材料は面接だけではありません。
資格をどれくらい持っているかもアピールの材料になりやすいです。
もっとも、資格を持てば持つほどよいというものでもありません。
文系にもかかわらず理系の資格を持っていても、あまり意味はないのです。
そこでここからは文系の学生が就職活動をするにあたって、持っておくと有利になりやすい資格を紹介していきましょう。
まずはなんといってもTOEICは欠かせません。
英語力をアピールするにあたって、TOEICで高得点成績を収めておくことは、今や学生の必須タスクとなりつつあります。
最近では社内で会話するにあたっては英語のみ、という企業も増えてきました。
それだけなくともグローバルな経営が求められる現代にあっては英語力が欠かせません。
そのためにもTOEICで好成績を残せるように英語の勉強はしておきましょう。
その他、TOEFLや英検の資格も就職活動では役立つ資格といえます。
次に取っておきたいのがファイナンシャルプランナーの資格です。
ファイナンシャルプランナーの仕事は、顧客に向けて老後の生活のプランなどをアドバイスすることです。
これだけを見ると就職しても役立ちそうにないと思えそうですが、保険業界や銀行員になるためには欠かせません。
保険のプランを立てるにも、銀行でお金を貸すにも、ファイナンシャルプランナーに求められるスキルが必要だからです。
将来のお金の使い方を考える企業に就職したいという方は、ぜひとも持っておくべき資格といえるでしょう。
最後に取っておきたい資格は簿記です。
この資格がなぜ必要かといえば、会社の財務表などを読むうえで欠かせないスキルを身に付けられるからです。
会社の財務状況に余裕があるか、どこを見直せば財務状況がよくなるか、ということを見極められれば、会社の経営をスムーズに行うことができます。
まとめ
文系の就職活動はどちらかといえば大変だ、といわれることが多いです。
幅広い就職先の中から自分に見合った就職先はどこか、ということをその都度考えなくてはいけません。
もっとも、それは逆にいえば文系は自由に就職先を選べるということも意味します。
その自由さを最大限に活かしながら有意義な就職活動を行うようにしましょう。