はじめに
就職活動を始める際には勝負服として、リクルートスーツをはじめ、Yシャツやブラウス、ネクタイやカバンなどを一式揃える方がほとんどです。
学生さんの多くはこれまでスニーカーやミュールなど、履きやすい靴やおしゃれな靴ばかり履いてきたので、ビジネスシューズやローヒールパンプスを新しく買う方も多いことでしょう。
就活のために靴を購入する際、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
就活では活動量も多いうえ、面接の際に意外に見られている部分であるため、靴選びや靴のケアについても知っておく必要があります。
就活における靴選びのポイントやお手入れについてご紹介します。
就活中の靴ってどうして大切なのか
内定を獲得するためには面接での第一印象も大切というのは、多くの就活生がご存知のことと思います。
そのために無難にリクルートスーツを揃えたり、ヘアスタイルを整えたり、茶髪を黒髪に戻したりと身なりにも気を使っているかもしれません。
では、靴に関してはどうでしょうか。
足元なんて見られない、歩きやすければよいと簡単に考えていませんか。
中にはかなりくたびれているけれど、高校時代に履いていた革靴でよいかと考える方や成人式のときに購入したかっこいい革靴があるからそれにしよう、なんて安易に済ませてはいけません。
靴は意外に見られており、それは面接時にも同じです。
ビジネスマンは取引先や顧客と接する機会も多く、身だしなみは重要な要素です。
スーツやヘアスタイルには気を使っていても、足元は目に入りにくいからと油断してはいけません。
ハイセンスなスーツを着こなし、高級腕時計を身に着け、ブランドもののビジネスバッグを持っていたとしても、靴が汚れていたり、つま先が擦れて色が剥げていたり、かかとがすり減ってボロボロになっていたらどう思うでしょうか。
何だか残念な人という印象だけでなく、細かな部分に気を払えない人、最後の詰めが甘い人、いい加減な性格の人と思われかねません。
自分の身なりやライフスタイルでの習慣や行動は、ワークスタイルにも反映します。
汚れたままや見た目が悪くなっていても気にしない人や目につきにくい部分まで気が払えない人は、仕事の仕方も荒く、細かな部分まで気が回らない人という印象を与えてしまいます。
仕事ができるビジネスマンほど靴はキレイにしており、毎朝のようにプロに靴磨きをしてもらってから出社するのが日課になっている方も少なくないのです。
だからこそ、古びてヨレヨレになった靴やビジネスシーンにマッチしないようなきらびやかな靴などはNGです。
就活の靴を選ぶ際のポイント
就活では面接官が意外にも靴をチェックして、その人の性格や仕事の仕方を推測しているために靴選びや靴のお手入れが大切になるだけでなく、活動のしやすさの面からも靴選びが重要になります。
面接官が靴を見て、この子は仕事ができそうだなとか、重要な取引先の前に出しても恥ずかしくないな、安心だと感じてもらえる靴を選ぶのはもちろんですが、履きやすさや機能性も重視する必要があります。
就活では1日のうちに会社説明会をはしごしたり、面接が重なったりと時間に追われながら歩くことも少なくありません。
間に合わないと駅の階段を駆け上がったり、会場まで小走りしたりと激しく動き回ります。
履きやすくて動きやすく、足に負担がかからない靴選びがポイントです。
ご自身の足のサイズやワイズにぴったりフィットすることはもちろん、柔軟性や軽さなど、自分が実際に試着してみて歩きやすい靴を探しましょう。
また、就活は暑い夏から寒い冬の時期まで季節や天候を問わず、行われます。
蒸れにくい、暑さ対策や寒さ対策ができる、雨の日や雪の日も快適に履けるなど機能性にも配慮したいものです。
色は「黒」を選ぶのが無難
男性でも女性でも、就活におすすめの靴の色は黒です。
スーツは黒、紺、グレーなどがベーシックカラーですが、リクルートスーツのどの色でも馴染みます。
落ち着いた色でビジネスシーンにおけるベーシックカラーなので、安心の印象を与えます。
履きなれている革靴を使いたいといった場合も、黒または濃い焦げ茶にとどめましょう。
明るい茶色は軽い印象を与えかねません。
学生時代に茶髪や金髪にしていた方が、就活にあたって黒に染め直すのとイメージは同じです。
おしゃれな色のビジネスシューズは、仕事が一人前にできるようになってから購入しましょう。
本皮or合皮
本皮か合皮かは好みも別れますし、予算の問題もあるので、こちらでなければいけないというのはありません。
ただし、格安の合皮靴は素材がピカピカ光るなど見た目に軽い印象を与えてしまうので避けましょう。
合皮でも本皮と見まがうような高品質なタイプがおすすめです。
また、靴の素材は歩きやすさや蒸れにくさなどにも関わってきます。
あまりに安い靴を買って、就活の途中で履き潰してしまう、移動の途中で靴底が割れて歩けなくなるなんて惨めな事態は避けたいものです。
リクルートスーツは就活限定で使い捨てにされる方も多いですが、履きやすくて上質な靴はきちんとお手入れすれば長く愛用できるので、少し頑張って本皮の柔らかで足に馴染みやすいタイプを選ぶのもおすすめです。
つま先のタイプは?
靴のつま先の形は印象を大きく左右するものです。
そのため、つま先の形も慎重にチェックしなくてはなりません。
もちろん、その方の足の形によって履きやすい靴や歩きやすい靴のつま先の形も違います。
ですが、一般的には就活に最適なつま先はストレートチップやプレーントゥです。
逆におすすめできないのは、先がとんがったポインテッドトゥで、ちょっとすかした感じや軽い印象、不誠実なイメージを与えかねません。
紐がある靴を選ぶ
ビジネスシューズの基本は、レースアップシューズとも呼ばれる紐のある靴です。
靴ひもももちろん黒で、おしゃれなデザインや個性的なカラーは必要ありません。
女性の場合はローヒールのパンプスか、ストラップシューズが無難です。
実際に試着して歩きやすいかを確認
就活中は電車やバスを使って移動しますが、会社説明会の会場や面接をする企業へとかなりの量を歩きます。
最近はネット通販などで靴も気軽に買う人が多いですが、実際に試着して買うのがおすすめです。
実店舗で試すか、ネット通販でも試着のうえ返品や交換が無料や低料金で行いやすいショップを選びましょう。
試着の際はただ履いてサイズが合うかを確認するだけでなく、店内や室内で実際に歩いてみて歩きやすさをしっかり確かめましょう。
履いた瞬間に足にフィットするのと、実際に歩いたときの快適さは異なります。
重くないか、つま先が痛くならないか、かかとが脱げそうにならないか、足底はしっかりしていて心もとなくないか、滑りにくいかなどをチェックしましょう。
就活中の靴のサイズの選び方
就活向けの靴はビジネスパーソン向けの落ち着いた靴である必要がありますが、活動しやすく疲れにくい靴であることも大切です。
就活をしていくうえでは1日のうちに会社説明会を何社もハシゴしたり、就職フェアなどに行って長時間並んだり、面接会場を渡り歩くことも多いです。
想像以上に移動するので、自分の足にマッチした歩きやすく、脱げにくく、1日歩き回っても疲れにくい靴を選ぶことが大切です。
そのためにも、自分の足のサイズに合う靴を選ばなくてはなりません。
足長サイズの選び方
自分の足に合った靴を選ぶなんて当たり前ではないかと思っていませんか。
もっとも、これまでも自分の足長サイズに合わせて靴を選んできたという方もいれば、SやM、Lといった大まかなサイズの靴ばかり履いてきた方もいることでしょう。
特にこれまでスニーカーやスポーツシューズ、ミュールやサンダルやブーツなどカジュアルな靴をメインに履いてきた方は注意が必要です。
男性向けのビジネスシューズや女性向けのパンプスはつま先の形などによって、いつものサイズよりワンサイズ大きいほうが履きやすいケースや逆にワンサイズ小さいサイズのほうがピッタリくることもあります。
女性の場合は、これまでソックスにスニーカーやバレエシューズ、ブーツなどしか履いたことがない方も注意が必要です。
薄いストッキングでパンプスを着用する必要があるので、靴下を履いて履く場合よりも、ワンサイズ小さいほうが足に合うことがあるからです。
また、ビジネスシューズやパンプスでデザインが洗練されたものをはじめ、百貨店などでセールされている靴の中にはインポートものも多いです。
日本では22センチ、25センチといったセンチで表しますが、ヨーロッパの靴は35や37といった数値、アメリカの靴は5インチや6インチなどで表示されています。
しかも、ブランドやメーカーによって日本のサイズとの兼ね合いが違うことがあるのも要注意です。
たとえば、あるヨーロッパのメーカーは36が日本の23センチくらいなのに対し、別のメーカーは35が23センチであることがあります。
靴選びをしていてインポートものが気になった際には、日本とのサイズの違いをしっかり確認して、試着してみるのが安心です。
幅サイズの選び方
幅サイズはきつさや歩きやすさ、履き心地に大きく影響します。
同じサイズの靴でも、幅サイズによって履きやすさが大きく異なるため注意しなくてはなりません。
足の幅が広い方は、EEやEEEといった幅広サイズだときつくならず、歩きやすいです。
一方、足幅が狭い方は足長サイズが自分に合っていても、ワイズが広い靴はぶかぶかに感じることや脱げてしまうこともあるので注意しましょう。
この点、足の形は人それぞれで、体格がよいから足幅が広いといったことではありません。
細身の方でも足幅が広い方もいますので、靴を買う際は自分の足の長さと幅にフィットする靴を探すのがオススメです。
ためし履きのポイント
ためし履きをする際は、ただ足を入れてフィットするかを見るのではなく、必ずその場を歩いてみましょう。
お店で買う際には店内をぐるりと歩いてみる、オンラインショップで購入する際は室内で少し歩いて、歩きやすさをチェックすることが大切です。
足を入れた瞬間にはピッタリ合うと思っても、歩いてみるとパカパカとすることや脱げそうになることもあります。
また、靴が重くて疲れる、歩きにくいといったこともあるので、ただ履くだけでは足りません。
オンラインショップを利用する場合にはためし履きOK、交換や返品無料というお店を使うと安心です。
就活にふさわしい靴とは?
就活には男性は革靴を基本としたビジネスシューズ、女性はローヒールのパンプスが基本となります。
とはいっても、ショップにはさまざまなデザインやカラーのビジネスシューズやパンプスが並んでいます。
就活向けにいったいどんな靴を選べばよいのでしょうか。
男性の場合
男性向けのビジネスシューズ選びは、つま先の形と素材に気を付けましょう。
つま先が尖ったテカテカの靴を選べば、ホストのようになってしまいます。
また、ブラウン系のカラーもオススメできません。
基本は黒で、つま先はプレーントゥかストレートチップ、長く使えるよう柔らかい牛革で履きやすく、レースアップタイプのデザインを選ぶのが無難な選択です。
女性の場合
女性の場合は黒のパンプスで、3cm~5cmのローヒールタイプを選びましょう。
ピンヒールタイプより、太めの安定感あるヒールの方が歩きやすく、疲れません。
パンプスを履くと脱げてしまう甲の高い方は、足の甲や足首にストラップが付いたタイプを選ぶと脱げる心配がありません。
女性らしくおしゃれを楽しみたくても、リボンや花のモチーフなどがついたデザインは控えるようにしましょう。
就活中におすすめの靴
では、就活中は具体的にどのような靴を選べばよいのでしょうか。
黒やつま先の形、デザインなどの基本形を前提に、就活がしやすい機能性の高い靴をご紹介します。
防水ビジネスシューズ
歩きやすさはもちろん、雨の日でも快適に歩き回れる防水機能が高いビジネスシューズはおすすめです。
就活の解禁と同時に梅雨時期に入っていくので、雨でびしょびしょに濡れて気持ちが悪い、本皮が台無し、靴下まで濡れたなど惨めな思いをせずに済みます。
防水機能が高いと汚れも付きにくく、お手入れもしやすいのが便利です。
本皮レザーシューズ
柔らかなレザーを用いたビジネスシューズは足に馴染みやすく、足も痛くなりにくいです。
新しい靴を履くと足が疲れやすい方や靴擦れを起こしやすい方におすすめです。
インソールやライニングがメッシュ仕様のものを選べば、通気性もよく夏場や歩きすぎによる蒸れも防いでくれます。
コンフォートタイプのビジネスシューズ
歩きやすさに優れた軽量で快適、ワイズも幅広設計のタイプです。
中敷きにWクッションを採用していて、ソールに柔軟性のある素材を使用するなど歩行時の足への負担が軽減され、1日中忙しく歩き回っても足が疲れにくいのが魅力です。
靴底が防滑ソールになっているものや撥水加工が施されているものも多く、天候の悪い日の就活でも滑りにくく快適に歩けます。
おまけ:就活の靴の手入れに必要な道具
就活に最適な靴を揃えても、就活中、一度もお手入れしないとなっては意味がありません。
できれば、毎朝、汚れや曇りのないピカピカの状態にお手入れをして臨みたいものです。
面接での印象や仕事の能力ややり方まで判断されてしまう靴の、お手入れをするのにあると便利な道具をご紹介します。
馬毛ブラシ
靴は1日履いていると土埃が付くことや細かなチリが付いてしまいます。
本皮でも安心の柔らかで上質な馬毛のブラシを使って、細かなホコリを払ってあげましょう。
ホコリが付いたまま、靴クリームなどを塗ると、表面を傷つけてしまうこともあるので注意しなくてはなりません。
クロス
靴を拭いたり、磨いたりするのに、専用の柔らかなクロスがあると便利です。
汚れを拭きとるだけでなく、靴を傷つけずに摩擦して光沢を出してくれます。
靴クリームを塗る際や仕上げにも役立ちます。
靴用クリーム
靴用クリームはどんな色にも対応できる白いタイプの他、黒い靴専用の黒いクリームもあります。
汎用性のある白のクリームでもよいですが、黒色の靴クリームは黒い靴の光沢を出すなど仕上がりが美しいです。
また、靴が擦れて色が剥げてしまった場合など、黒色の靴クリームを塗ることでカムフラージュも可能です。
靴を履いているとすぐに擦れて色があせるといった方は、靴色に合わせたクリームを手に入れましょう。
防水スプレー
防水スプレーは雨の日に備えて満遍なく撒くだけでなく、購入したらすぐに全体にスプレーしておくのがおすすめです。
撥水作用だけでなく、汚れが付きにくくなることや擦り傷の予防にもつながります。
まとめ
就活において靴は意外に面接官に見られています。
靴の選び方やお手入れの仕方で、その人の性格や仕事ぶりが推測できるためです。
就活に最適な色や形などを踏まえるとともに、活動量が多い就活で履きやすく歩きやすい靴を選びましょう。