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はじめに
就活で書類選考を経た後、第一関門となる事が多いのが集団面接です。
「集団面接でどんな質問をされるの?」「集団面接独特の緊張感が苦手…」という就活生は多いのではないでしょうか。
集団面接ではどうしても他の学生と比較されがちなので、ほどほどに個性を出し「キラリと光る人材」として自己演出をする事が重要です。
目的は1対1の面接に持ち込む事なので、あくまで「少しだけ自分の良い面をアピールする事」がポイントとなります。無個性でも目立ちすぎても良くないので、バランスが肝心です。
この記事では集団面接での質問や押さえるポイント、回答例や失敗例、集団面接を乗り切るコツをお伝えします。
集団面接の質問とは?
集団面接では面接官からどんな質問をされるのでしょうか?
集団面接は志望者数を絞り、有望な就活生を1対1の面接に進めるために行うケースが殆どです。そのため長所や短所など性格面を問われる質問や自己紹介・志望動機・自己PRや他社の選考状況など広く浅い質問が多いです。
具体的にどんな質問があるのかを確認していきましょう。
性格面を問われる質問
就活生自身の性格を知るために、「簡単な自己紹介をしてください」「ご自身の長所と短所をそれぞれ教えてください」などオーソドックスな質問から、「自分を動物に例えると?」「最近読んだ本や印象的なニュースは?」等変化球な質問もあります。
特に回答が一番目になってしまった時に変化球な質問をされると焦ってしまいがちなので、日頃からしっかり対策を考えておきましょう。
志望動機と自己PR
志望動機と自己PRは答えるのが難しいですが、大抵の集団面接で聞かれます。企業側が「どれだけうちに入りたいのか」「業界・企業研究をしているか」を知るための質問で、これからあなたを一社会人として育てる上で重要なポイントとなるのです。
特に人気のある企業では「自社の事を知っていて当たり前」であり、その先まで踏み込む必要があります。
就業条件の確認の質問
「転勤がありますが宜しいでしょうか?」「○○という仕事内容ですか大丈夫ですか?」など就業条件の確認の質問もあります。
基本的にイエスと答えるのがべストですが、給与を確認されるケースもありますのでしっかり質問を聞いておきましょう
集団面接での質問の回答例
「質問内容は分かった、でも質問にはどう答えたらいいの?」という方のために質問の回答例をご紹介します。基本的に集団面接に限らず面接では「結論」を最初に答え、その後に「結論の理由や根拠」を話す構成が論理的な回答とされています。
また集団面接では一人一人の時間が限られていますので、簡潔に質問に答える事もポイントです。
以上を踏まえて具体的な回答例を見ていきましょう。
志望動機、自己PR
志望動機と自己PRでは「結論」→「結論の理由や根拠」を答えた後「自分が御社に入ったらどう働くか、どういったメリットがあるのか」を提案する事が重要です。
志望動機の回答例から見ていきましょう。
例:商社の営業の場合
「資源分野だけでなく、非資源分野でも収益を上げていらっしゃる部分と『困難でも挑戦し続ける』という企業理念です(結論)
利益変動の大きい資源分野から非資源分野への転換はこれから商社で働く上で大きな課題ですし(結論の理由や根拠①)
学生時代バスケの全国大会目標に向かって挑戦し続けやりがいを感じたので、御社でも挑戦し続ける働きをさせて頂ければと思っております(結論の理由や根拠①+自分が御社に入ったらどう働くか)」
続いて自己PRを見ていきましょう
例:営業事務の場合
「私の強みは目標に向けて様々なアプローチをするところです(結論)
学生時代就業支援のボランティア活動をしておりました。初めは「就業経験の無い学生に就業支援なんて」と利用者数は少なかったですが、SNSやチラシ配り、知り合いを通じた口コミなど様々な方法で利用者数を伸ばすことができました。(結論の理由や根拠①)
御社の営業事務でも資料作成や経費集計のサポート等様々なアプローチで営業マンのサポートをし、顧客と納期の調整等を工夫していければと考えております。(結論の理由や根拠①+自分が御社に入ったらどう働くか)」
重要視される志望動機と自己PRは事前にしっかり答えを考えておきましょう。
性格を問われる質問
自己紹介や長所と短所など性格面を問われる質問は、正直な答えを求められる一方で「企業の風土に合った人間性か」「我が社のルールに適応できる人間か」を見られます。
どこの会社でも就業規則のように明確ではない「暗黙のルール」や「雰囲気」が存在しますので、残念ながら明確な正解がない場合もあります。
ただ社風に合わない会社に入ると働く側にとっても辛いので、ある程度は割り切って「受かる確率の大きい答え」を目指しましょう。
変化球な質問も事前に回答を準備して置き、冷静に対処するよう心がけましょう。
「長所と短所」の回答例
「私の長所は行動力がある所です。学生時代にボランティア団体に所属し年間100件、観光案内や病院で患者さんの介助など様々な活動に携わりました。
ただその分一つ一つの経験が浅く広くなりがちなのが短所なので、今後は回数を重ねて『広く深い活動』を心がけています」
他社への応募状況を問われた時
他者への応募状況は正直に答えましょう。その後に「御社が第一志望です」と加えるようにしましょう。
その他の質問
例えば就業条件の確認の質問でも「イエス」だけでなくその根拠を述べるようにしましょう。根拠がPRになるとべストです。
就業場所への回答例
「弊社では総合職もございますが、○○地区内の地域限定職を希望しているという事で宜しいでしょうか?」
「はい。生まれた時から育ってきた○○地区で、御社での勤務を通じて地域の皆様に貢献したいと考えております」
質問に回答するときの注意点や上達方法・集団面接編
次は集団面接で質問に回答する際の注意点を見ていきましょう。
一番最初の回答者になってしまった時は場の空気を読みづらく焦りがちなので、冷静に対処する事が重要です。
また繰り返しになりますが、就活生にとって集団面接では
「自分の良い部分をチラ見せして、詳しく知ってもらうために1対1に持ち込む」ように仕掛けなければなりません。(異性を落とすマニュアルのようになってきましたが(苦笑))
「この子はデキるかもしれない」と思わせるためのポイントや、集団面接を上達させるためのコツをお伝えします。
一番最初の回答者になってしまった場合
答える順番が一番最初になってしまった時は、落ち着いて用意してきた回答を答えましょう。
一つ目の質問を全員が答えた後はある程度場の空気が出来上がっていますので、以降は面接官の反応を見て柔軟に対応するよう心がけましょう。
前の人の回答で参考にすべきポイント
回答が2番目以降になった時は、前の人の回答が「参考資料」となるので大きなチャンスです。
前の人の回答を自分が「厳しい面接官」になったつもりで聞くことがコツです。
悪い言い方をすると「ツッコミどころ」を探して自分の回答に活かすのです。
例えば前の就活生が自己PRを聞かれた際に「サポート力がある所です。家庭教師のアルバイトを4年間続け、生徒を志望校に合格させました。
サポート経験を活かして御社でも貢献していきたいです」と答えたとします。
一見良い回答に思えますが「生徒を志望校に合格させた」というエピソードで具体的にどのようなことを行ったかなどの例がなく、「サポート経験を活かす」という部分も根拠のあるエピソードがないためぼんやりしています。
もし同じ内容で回答するとしたら以下の通りになります。
「サポート力がある所です。家庭教師のアルバイトでは分かりづらい部分は図にして教える等、個々人に合わせた指導する事で生徒の数学の偏差値を10上げ志望校に合格させることができました。このサポート経験を活かして、御社でも個々のクライアントに合わせた交渉を心がけ事前の資料作り等を入念にする事で結果を出していきたいです」
面と向かって指摘するのは失礼ですが、心の中でダメ出しするのは自由です。
面接中に余裕があれば、頭の中でシミュレーションしてみましょう。
逆に「この回答は良いな」と思った部分は自分なりに咀嚼して取り入れ次の面接に活かしましょう。面接後にメモを取っておくことをおすすめします。
ほどほどに「目立つ」
他の学生と差をつける事は大事ですが、目立ちすぎると「空気が読めない人」「協調性が無い人」と判断されてしまうのでほどほどのアピールを心がけましょう。
集団面接を上達させる方法
集団面接は「自分を俯瞰で見ること」と「場数を踏む事」が上達方法となります。
「自分を俯瞰で見る」には同級生や先輩、親や兄弟など誰か他の人に面接のロールプレイングして貰う事が一番です。
場数を踏む為にはロールプレイングか、人気企業をダメもとで受けてみる事をおすすめします。
入る予定がないのに応募するのはマナー違反ですが、人気企業は競争率が激しいので優秀な学生を面接で観察することが出来ます。
落ちる確率も高いため、辞退しても企業側のダメージは少ないと推察されます。
ただ本当に入る気がない企業には最終選考は断る等、就活のマナーはきちんと守るようにしましょう。
【集団面接の質問例】集団面接で回答する時に失敗しがちな3つの例
集団面接は個別面接とは異なり、他の就活生への配慮や他の就活生との兼ね合いも見据えて臨まなくてはなりません。
集団面接で失敗しがちな例を3つご紹介しますので、失敗がないように事前準備を講じ、本番でミスのないように心がけましょう。
他の人の話を聞かない
緊張しすぎて人の話が耳に入ってこないというのは仕方ないとしても、人の話を聞いていないのが面接官から見てわかってしまうのは良くありません。
自分の番ではないからと下を向いたまま、勝手なほうを向いている、他の人が話している様子に興味を示そうとしていないといった態度は良くありません。
話をしている人のほうに顔を向ける、話の合間に相槌を打つ、面白い話をしたら軽く笑顔を作るなどすれば、話を聞いているのがわかります。
人に無関心、自分だけ良ければいいと評価されないように気を付けましょう。
他の人とエピソードがかぶってしまった
学生のときに力を入れたエピソード(ガクチカ)や長所、志望動機などを語る際のエピソードが、部活動や同じ種類のアルバイトなどでかぶり、話も似通っている、まとめ方も似通っているとなると、差がつきにくくなります。
自分より先に話をした人が勝ちという構図は否めませんが、順番はどうなるかわかりません。
同じようなエピソードが出ても困らないよう、各質問に対する回答例を2つから3つ用意しておくと安心です。
部活動など同じ内容を取り上げるにしても、別のエピソードをいくつか考えておくといいでしょう。
一人で話しすぎてしまった
自分をアピールしたいばかりについつい長くなる、話がまとまらずに時間を取ってしまうのも失敗例の一つです。
他の人への配慮が欠けている、集団で面接を受ける際のマナーをわきまえていないと思われかねません。
限られた時間で複数の人が順に発言をしていくわけですから、一人が割り振られる時間を超えて長々と話してしまうと、その後に影響が出ます。
他の人の発言回数が減らされる、手短にと言われてしまうといったグループ内での影響をはじめ、そのグループの面接時間が延びた結果、後のグループの面接開始時間がどんどん遅れてズレていくといった影響も考えられます。
多くの人に迷惑がかかり、面接官が持つ印象も悪くなるので、スケジュール管理力を示すためにも、自分の持ち時間を意識して話しましょう。
【集団面接の質問例】集団面接の質問への回答以外で重要なポイント
集団面接では質問への回答で比較がされやすいのはもちろんですが、回答以外でも評価が付けやすい特徴があります。
複数の人が集まった場合、他の人と違うというのは、良い面でも悪い面でも目立つためです。
回答以外にどのような点に気を付けるべきなのか、重要なポイントをご紹介します。
身だしなみ
まずは、身だしなみを整えましょう。
真面目さと清潔感を重視するのがポイントです。
カッコよさやおしゃれ感は求められていません。
Yシャツやブラウスはしっかりアイロンをかけ、スーツのしわなども目立たないように整えておきましょう。
男性ならネクタイが曲がっていないか、女性ならメイクが濃すぎないかも注意が必要です。
集団で一列に並んで座ると足元も目立ちますので、靴も汚れがないよう、綺麗に磨いておきましょう。
入室前に手鏡などでチェックし、髪の乱れなどがないかも確認しておきましょう。
入室時のマナー
入室時にバタバタと足音を立てたり、先の人が入室しているのに遅れて駆け込むのはいけません。
入室した際は面接官に一礼して、挨拶をしますが、一人だけ挨拶を忘れる、お辞儀の仕方がいい加減であると悪目立ちします。
全員がイスの横に立ち、面接官が座ってくださいと言ったら、他の人とタイミングを合わせるようにして着席します。
一人だけサッサと座る、いつまでも座らないなども良くありません。
立っている時、座った時の姿勢にも気を付けましょう。
猫背気味や首をすくめるなどすると自信がないようにも見え、仕事ができそうな印象も与えません。
動作は常に背筋をピンと伸ばして行います。
背筋がピンとしているだけでも、他の方より好印象が与えられます。
一方で、姿勢が悪いと悪目立ちをするので気を付けましょう。
面接中のマナー
面接中は背筋を伸ばして座り、面接官のほうを見ます。
面接官の一人が話をする際は、その面接官のほうをしっかりと見ましょう。
足をきちんと揃え、手は膝の上に置くのが基本スタイルです。
自分の番になったら、通る声でハキハキと話し、他の方に配慮して余計な時間を費やさないようにします。
他の人が発言中も気を抜かず、傾聴の姿勢を取ることが大切です。
退室時のマナー
退室の際は全員が揃って立ち上がり、面接官にお礼を述べて一礼してからドアへと向かいます。
先頭に位置する方は、一人でサッサとドアのほうに向かうのではなく、他の人が荷物を持つなど準備が整ったかに気を払い、全員が準備できたら配慮しながら歩き出しましょう。
全員が外に出たところで、最後の方が失礼しますと挨拶をして、静かにドアを閉めます。
退室したからと油断しないようにしましょう。
ドアの外でお互いに感想を述べ合うような声も、面接室に響いている場合があるからです。
集団面接において大事なこととは?
集団面接のポイントや上達方法、失敗例などを見てきましたがいかがでしょうか。
集団面接で大事な事は他の学生や場の空気を読む等の観察眼と回答の発想力、そして「ゲームとして楽しむ」事です。
「なんて不真面目な」と思われるかもしれませんが、就活をRPGに例えると集団面接は「中ボスを倒す事」です。(ちなみに応募書類の対策や業界研究は「レベル上げ」書類選考は「最初のボスを倒す」、最終面接が「ラスボスを倒す」です。)
「ゲーム」として捉えると心に余裕が生まれ、場を全体から観察することができますし答える姿も堂々としてきます。
また落ちた時のダメージが少なくなり、切り替えも早くなります。
集団面接という「中ボス」を上手く攻略できる参考になれば幸いです。