就活では、面接やメールなどで敬語を使う場面が多くあります。敬語は最低限のビジネスマナーですが、普段あまり馴染みがないため間違った敬語を使ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、就活でよく使われる敬語表現について、いくつか例を挙げてご紹介します。間違いがちな言い回しについて確認してみましょう。
敬語の種類と主な違い
敬語には尊敬語と謙譲語、丁寧語があります。特に尊敬語と謙譲語を使い間違えてしまう人が少なくありません。先ずは二つの違いを押さえておきましょう。
尊敬語
相手の動作を表現するときに、相手を上に見て使う敬語。就活では面接官や企業の担当者(OB訪問をした際の先輩社員など)に対して使います。
謙譲語
自分の動作をへりくだって表現し、相手への敬意を示す敬語。面接などで自分のことを話すときに使います。
よく使う言葉1「言う」
謙譲語では「申す」「申し上げる」
就活では自己紹介をすることが多くあります。敬語を使わず表現する場合「▲▲大学▲▲学科の○○といいます」ですが、これは面接官と同じ目線に立った言い方になってしまいます。
この場合は「いいます」よりも「○○と申します」が正解です。敬意の対象である面接官に対して自分を下げた「謙譲語」を使いましょう。
尊敬語では「おっしゃる」
相手のいったことを引用する際には「いう」に代わって「おっしゃる」を使いましょう。「御社の○○様が企業説明会の際にいっていたことですが」ではなく、「企業説明会の際におっしゃっていたことですが」とすることで、対象者に敬意を表すことができます。
よく使う言葉2「〜する」
謙譲語では「~させていただく」「~いたす」
「御社を志望させていただきました」など一見正しいように思える言い回し。「~させていただく」という表現はつい使ってしまいがちですが、多用は避けましょう。
「~させていただく」という表現は「自分の動作について相手に許可を求める必要があり、その動作をすることで自分が恩恵を受ける場合に使う言い回し」とされています。つまりこの条件を満たさない状況ではあまり使うべきではありません。基本的には「~する」の謙譲語である「~いたす」を使いましょう。
先ほどの例の場合「御社を志望いたしました」が正解です。「~させていただく」という表現は「連絡をさせていただいてもよろしいでしょうか?」といった許可を得る必要のある場面で使う、と覚えておきましょう。
尊敬語では「~される」「~なさる」
相手の動作に対しては「~される」「~なさる」を使いましょう。「先ほど説明された○○の件ですが」などというように表現します。
よく使う言葉3「見る」「読む」
謙譲語では「拝見する」「拝読する」
企業のパンフレットやホームページを見たことについて表現する際など「ホームページを見ました」では丁寧さが足りません。「拝見しました」や「拝読しました」と謙譲語を使いましょう。
尊敬語では「ご覧になる」「読まれる、お読みになる」
「見る」の尊敬語は「ご覧になる」です。「履歴書をご覧になったとおり~」などのように使います。「読む」の尊敬語は「読まれる、お読みになる」です。「資料をお読みになりました通り~」などのように使います。
おわりに
就活で出会う相手のほとんどは立場が上の人です。最低限のマナーとしてきちんとした敬語を使いましょう。正しい敬語を使うことができれば、就活だけでなくこれから先の社会生活に大いに役に立ちます。簡単に身に付くものではないので、普段から敬語を意識した言葉遣いをしましょう。