エントリーやインターンといった、就活に関することをスムーズに進める選択肢として、これまではマイナビやリクナビといった就活支援サイトを利用する、というものがありました。「就職活動を行う際には、就活支援サイトに登録するように」というのは大学でも言われていますよね。
そして、登録を推奨される代表的サイトが、前述したマイナビ・リクナビだったのですが、最近はそれ以外にも役立つ支援サイトが増えています。O・Zさんはその中の一つ、「Wantedly(以後:ウォンテッドリー)」で就職活動を行い、無事に内定を獲得することに成功したそうです。しかし彼を待っていたのは、給料不払いという過酷な事態でした。
コンサルティング会社に就職
私は都内にある、コンサルティング会社に大学卒業後、就職しました。業務内容としては、ウェブメディアの立ち上げに関するコンサルティングがメインでした。その一方で、自分たちも医療従事者を対象とした就活支援サイトを運営しており、その2本の柱が主力事業でした。
元々私は、インターン生としてそこで就労体験をしていました。約1ヶ月の、長期にわたるインターンを経ての入社だったので、ある程度事業内容や業務内容については理解していました。だから逆に、企業研究を疎かにしてしまったのかもしれません。
ウォンテッドリーで内定を獲得
そもそも私は、この企業……A社のことをウォンテッドリーというサイトで知りました。最近は結構利用する学生・社会人の方が増えてきましたけど、端的に説明すると、働きたい人と、人材が欲しい人をマッチングするサイトです。
ベンチャー企業や、マイナー事業を行なっている会社も多く、不安定ながらも魅力の多い会社がひしめき合っているサイト、という印象です。そこを流し見しているときに、A社を見つけました。事業内容や社風に惹かれたのもありますが、「まずはランチでも」というスタンスだったので、気軽に応募してみることにしたんです。
それでとんとん拍子に話が進んで、取り敢えずインターンとして働いてみます、という流れになりました。それで、企業のアットホームな感じや理念、社員さんの人柄とかに惚れて、半年後には入社ということになっていました。
だから正直、ここ以外の企業をあまり調べませんでしたし、自己分析やら企業研究、ということもそんなに行わなかったんです。軽くランチに行くつもりが、インターン生として採用されることになってしまったわけですからね。
給料が不払いに
それで卒業後、今度は正社員として私はA社に戻ってきました。顔ぶれも以前のままで、向こうも当然私のことを覚えてくれていたので、新入社員、という感じはあまりしませんでしたね。ただ、インターン生の頃よりも任される仕事、覚えるべき仕事は圧倒的に増えたので、当初はバタバタしました。
コンサルについて勉強したり、メディア運営をする上で取材に出たり、あっという間に半年が過ぎていきました。気が付いたら仕事量は日々増え、残業時間もかさみ、取材が日に何本も入るようになりました。
嬉しかった反面、しんどさもありましたね。体調は慢性的に優れませんし、睡眠不足でした。その上、11月頃に給料が振り込まれないということがありました。その後にも1月、3月と、ちょこちょこそういう月があったんです。先輩に聞いたところ、これだけ忙しいのに業績は不調らしく、社員の給料を支払うのに困窮しているんだとか。
ポツポツ社員も減っていき、メディアのアクセスや収益も伸びず、クライアントも離れていき。いよいよまずいなと思って、自分の会社のことを色々調べてみたら、かなりギリギリの経営であることが分かりました。ここにきて、企業研究をしてこなかったことが響きました。
結局その数ヶ月後に私も退社し、今は別の広告会社で勤務をしていますけど、外面では余裕そうだけど、実はガタガタっていう企業は沢山あります。そういう企業で働かないためにも、学生さんはしっかりと企業研究をするべきです。
終わりに
企業研究を怠ったことで、ブラック企業や経営不振の企業に入社してしまう、ということは決して珍しいことではありません。業界研究・企業研究というのは地味で面倒な作業に思えるかもしれませんが、長く勤められる企業を見極めるためにも、しっかりと行うようにしましょう。