「就活では資格があると選考が有利に進む」という話を聞いたことがある学生も多いでしょう。新卒で一般企業を対象に就活する場合、中途採用での就活ほど資格が重要視されることはありません。しかし、業種や職種によっては特定の資格を取得することを求められる場合もあります。
また、特に資格を必要としない企業でも、資格を取得していれば、その資格に関する知識や技能があることを示すことができるので、企業へのアピールになります。
それでは、就活に有利に働く資格にはどのようなものがあるのでしょうか。社会に出ても役に立つ就活生におすすめの資格をご紹介します。就活の準備として資格の取得を考えている人は、ぜひ参考にしてください!
就活では資格が必要!有利になる?
「資格を持っていると就活が有利に進む」。就活中に何度も聞くフレーズですね。しかし、本当に資格は就活を有利にしてくれるのでしょうか。実は、新卒の就活では、何らかの資格を持っているということは必須ではありません。
医師免許や教員免許、建築士免許など、特定の業種や職種を志望している場合は、その資格を入社時までに取得することが求められますが、多くの一般企業では特定の資格が必要というわけではないのです。
ただし、必ずしも必要ではないとはいえ、資格を持っていることが就活に有利に働くことも多くあります。
資格を取得するメリットの1つは、「実力を客観的に示すことができること」。資格を取得していると、その資格に関する知識や技能を持っていることをアピールすることができます。
例えば、英語力をアピールしたいときのことを考えてみましょう。エントリーシートや履歴書といった書類選考の段階では、「英語力があります」と書いていても、実際にどの程度の英語力があるのかがよくわかりませんね。
しかし、「TOEIC800点」と書かれていれば、「国内での英語を使用した業務は差し支えなくこなすことができるレベルの英語力を持っている」とその人が持つ英語力を具体的に知ることができます。このように、資格を取得することで自分の能力を具体的かつ客観的に示すことができるのです。
また、志望する業界や職種にかかわる資格を取得していると、その業界・職種への熱意をアピールすることもできます。より高度な資格を取得していれば、「即戦力になってくれるかも」と企業側も期待するでしょう。
資格取得のための勉強をすることで、入社後に活用できる知識や技能を身につけることができますし、企業側に自分の能力を具体的にアピールする材料にもなります。
どのような資格を取得するとよいか考え、大卒資格が必要なものなど以外の資格は就活が本格化する前に取得しておきましょう。
就活で必要!どんな業種でも有利になる資格
資格を持っていることで就活が有利になる場合が多いとお伝えしましたが、すべての資格に当てはまることではありません。したがって、就活の際にも役に立つ資格を選んで取得する必要があります。
また、志望する業界や職種が決まっていれば、その業界や職種に関係する資格を考えるとよいですが、就活前のタイミングでは志望業界や志望職種が決まっていないことも多いと思います。そこで、どんな業種・職種でも役に立つことが期待できる資格をいくつかご紹介します。
TOEIC
現代は大企業に限らず中小企業も外国との取引がある時代です。外国語で文章を書くことができたり、外国語の文章を読むことができたり、外国語で話すことができたりといった、外国語を活用できる能力があることを示すためには、資格を取るのが一番です。
特に英語は世界の共通語ともいわれる言語です。英語に関する資格、特にTOEICは受験してスコアを残しておくことをおすすめします。
TOEICは約1か月に1回というペースで試験が行われています。受験日程を決めて、就活までに何度か受験しておくとよいでしょう。そのなかで最も高いスコアを伝えればOKです。
ただし、新卒での就活でアピールできるTOEICのスコアのめやすは700点です。600点代であれば普通、それよりも低いスコアであれば、書かないほうが印象がよいでしょう。
日商簿記
簿記(日商簿記)の資格は、お金の流れをきちんと整理して記録できる能力の証明です。経理部門など、お金を管理する部門に配属されない限り、簿記の技能はあまり役に立ちません。
しかし、どんな会社でも、ビジネスの場では必ずお金の流れが発生します。簿記の知識を持っていることで、お金の流れへの理解も一層深まるというわけですね。
日商簿記を取得する場合は、まずは3級からチャレンジすることをおすすめします。3級から2級、2級から1級へとステップアップし、着実に知識と技能を高めていきましょう。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)とは、マイクロソフト社が販売しているWordやExcel、Power PointなどといったOfficeソフトを使うことができる人に与えられる資格で、これらのソフトを支障なく使うことができる能力の証明になります。
インターネットもメールもスマートフォンでできるようになった現代では、パソコンを使って文章を書いたり表計算ソフトを活用したりするという機会も少なくなってきていますが、会社では当然パソコンを使います。
社会人になろうとしている学生として、マイクロソフト社のOfficeソフトは最低限使えるようにしておきましょう。
就活で資格は必要ないという考え方も?
TOEICや簿記など、持っているとプラスの印象を与えることもできる資格は確かにありますが、新卒の就活に、資格は本当に必要といえるのでしょうか。
実は、株式会社リクルートが企業に対して行なったアンケートによると、資格を重要視している企業は8.9%とそれほど多くないのです。つまり、新卒での就活では資格は必要ないという考え方もできるのです。
資格を持っていることはアピールになりますが、内定の決定打にはならないと考えておいた方がよいでしょう。
また、資格は多いほどよいというものではありません。多くの資格を取っていても、分野がバラバラすぎたりレベルの低い資格ばかりを取っていたりすると、どのように活用するかということよりも、資格を取ることが目標になっているのではないかと思われてしまいます。
かえって悪い印象を与えかねないのです。せっかく時間をかけて資格を取得するのですから、TOEICや簿記など、アピールしやすい資格で高いレベルを目指しましょう。
まとめ
新卒の就活では、必ずしも資格が必要というわけではありませんが、TOEICや簿記、MOSなど、持っていると多少有利に働く資格もあります。
これらの資格を取得する場合は、就活前の余裕のある時期にしっかり勉強しておきましょう。エントリー時に資格を書くことができるように、本格的な就活が始まる前に合格通知を受け取ることができる日程で受験してくださいね。