【レポートに役立つ】証券業界の業界研究

はじめに

就活に欠かせない業界研究ですが、一番大事なのは何を目的に研究をするかです。

大学で勧められたから、面接で有利だからと実施する人もいますが、具体的にどこでどう有利なのかを答えられない人も少なくありません。

表面的な情報を集めただけでは研究にはなりませんので、せっかく実施するなら意義のある内容にしましょう。

ここでは、証券業界についての業界研究の進め方やまとめ方をメインに解説します。

業界研究はなぜ必要?

まず、業界研究がなぜ必要と言われているかを解説します。

ここでは就活をメインとしている以上、基本的には志望企業を固めるための行為といえますが、業界研究は社会に出てからも必要に応じて随時行うべきことです。

簡単に言えばマーケティングの一環であり、現在の経済社会の状況を観察し、そこから未来予想をするために必要とされます。

経済活動は普遍ではなく、新しい視点、新しい技術の登場により180度方向が転換したり、スピードが加速・鈍化したりもするため常に観察が必要です。

企業の成功は一瞬のことではなく、どれだけ持続させるかが肝ですので、常に市場動向は知っておかなければなりません。

そうしたアンテナの張り方を身につけるためにも、学生のうちからしっかり業界研究を行えるテクニックを磨いておくことは大きなプラスです。

企業研究とは何が違うの?

木を見て森を見ずとよく言われますが、企業のみに注目して業界全体に目を向けないと大きな誤りを招きかねません。

この例で言えば木が企業、その木が生えている森が業界です。

もちろん木を1本1本丁寧に見ていく企業研究は重要な行為ですが、その企業がどの業界に属しているか、その業界全体がどのような環境下・状況下にあるかを踏まえたうえでなければ正しい判断はできません。

とても立派な木だったとしても、立っているのが断崖絶壁で今にも土壌が崩れ落ちそうな状況では、大変なリスクを抱えていることになります。

反対に細く弱々しい木だったとしても、栄養も光もたっぷりある理想的な環境にあり、周りに障害物がなさそうなら大いに成長が見込めるかもしれません。

このように企業研究を正しく行うためにも業界研究は重要であり、未来を予想するのにも欠かせない行為であるといえます。

【証券業界】業界研究のやり方・研究の例

業界研究のやり方はさまざまあり、結果として業界の現状と未来予想が的確にできるのであれば、どんな方法でもかまいません。

基本的にはどのような業界であるのか概要を知り、内情や外部を取り巻く社会状況を鑑みて分析する方法が一般的です。

ただし、一方的な見方だけを抽出すると、誤った判断をしがちです。

現在はインターネットなどでたくさんの情報が得やすくなっていますので、多角的に情報を集め、なるべくフラットな目線で研究する姿勢が大切です。

それでは証券業界の業界研究について解説していきましょう。

【証券業界】1証券業界の概要と現状

証券業界とはどんな業界か、就職先として学生から人気が高い割には、あまり具体的なイメージが湧かないかもしれません。

業界研究の取り掛かりとしては、まず業界の概要を洗い出し、現状を把握するところから始めましょう。

情報源はインターネットサイトをはじめ、書籍や専門誌、新聞なども活用します。

証券とは株式や国債・社債などの債権、投資家から集めた資金を運用する投資信託などを指します。

これらの金融商品を個人・法人に対して売買する事業を行っている業界であり、銀行や信託銀行などの間接金融ではなく、直接金融になるのが大きな特徴です。

社会情勢に大きく影響を受けやすく、2008年に起こったリーマンショックや2011年の東日本大震災の影響で市場が低迷したことも記憶に新しいでしょう。

その後徐々に好調に転じる兆しもあったのですが、昨今のコロナウイルスの影響により先行きは不透明になりました。

【証券業界】市場規模

証券業界の2019年度業界レポートによると、市場規模は約3.9兆円となっており前年度からの伸び率は+1.8%となりました。

主要対象企業39社の営業収益の合計は3兆9,093億円で、徐々に回復を見せています。

2007年にはサブプライムローン問題、2008年にはリーマンショックが起こり金融危機の影響で業績は一気に下落しましたが、それも2014年にはリーマンショック以前の水準まで回復しました。

2016年までは株式市場が低迷し業界収入は減少を招きましたが、これも2017年には増加に転じ、高止まりを見せています。

特にネット型証券は堅調で、シェアも急激に伸びているのです。

証券業界の市場を見る場合には世界的な経済ニュースにもアンテナを張り、どこのどんな事柄が業界に影響するかもあわせて見る必要があります。

【証券業界】現在のトレンドとなっている事柄

現在世界的に店舗を構える従来型の証券業界では業績が伸び悩み、ネット証券業界のシェアが拡大しています。

従来型では人員と店舗の維持コストがかかるためどうしても手数料が高くなり、それらを持たないネット証券が手数料を大幅に下げられることから売上を堅調に伸ばしているのです。

時代の流れからすればネット証券が主流になるのはほぼ確実ですが、中国証券業界では世界とは逆行し、本土でのアナリスト採用は2019年まで4年連続で増加しています。

中国はアメリカの金融大手であるゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースらと闘えるだけの強化を国内証券各社に求めており、こうした世界のトレンドとは逆行する動きを見せているといえるのです。

証券業界の業界研究を行う場合、相手は世界経済になるため、国内だけに目を向けていると片手落ちになります。

インターネット技術なども大きく影響するため、他業界のトレンドにもアンテナを張ることが大切です。

【証券業界】どのような事業を行っているか

証券業界の収益の柱は、永らく株式売買手数料でした。

ただ市況に左右されやすく値下げ競争にも巻き込まれやすいため、現在はビジネスモデルも変化しつつあります。

大手証券会社をメインとした業界の一部では、預かり資産の総額に対して報酬を受け取る事業への転換も急がれているのです。

信託報酬などがその一つであり、投資信託の販売額に応じて収益を得るため、顧客に長期保有を勧めることで安定した収益を上げるスタイルとなっています。

従来型ではトレーディングやディーリング、アンダーライターやセリングといった事業がメインとなりますが、近年では投資銀行にも注力する企業が増えました。

アンダーライターに加えM&Aの仲介を行ったり企業へ資金調達支援を行ったりする事業であり、大手証券会社ではすでに収益の柱へ成長しています。

【証券業界】2証券業界の主な企業や企業に関する情報

証券業界は数多くの会社があるとはいえ大手企業はそう多くありませんので、調査するのに苦労することはないでしょう。

日本では5社ほどを押さえておけば、業界把握はほぼ可能です。

1878年に東京株式取引所という現在の東京証券取引所の前身が設立され、その後大阪、名古屋など各地に証券取引所が設立されました。

ここへの注文を取り次ぐために生まれたのが証券会社であり、日本3大証券取引所と言われた東京・大阪・名古屋の取引所周辺の一帯が証券街の代名詞ともなったのです。

今でこそネット証券が主流となりつつありますが、やはり従来型の対面証券とネット証券、それぞれの特徴を活かし営業活動を行っている大手が有名どころといえます。

【証券業界】主な企業

日本で押さえておくべき証券業界5社は以下の通りです。

・野村證券

・大和証券

・SMBC日興証券

・みずほ証券

・三菱UFJモルガン・スタンレー証券

銀行など他社と資本関係のない独立系証券会社が先の2社、残りの3社が銀行系証券会社です。

メガバンクの傘下にあるとワンストップソリューションの体制を敷けるためメリットがありますが、事業や業務においては各社でそこまでの違いはありません。

比較をするなら規模比較が適当ですが、純営業収益で見ると野村證券がダントツのトップで、2位の大和証券の約3倍近い収益を上げています。

【証券業界】関連する業界

業界研究をするうえで欠かせないのが、関連する業界の情報です。

先に企業は木、業界は森だと表現しましたが、森もいくつかあり森同士の関わりで環境が変化する場合も多いからです。

証券業界に影響する業界はやはり金融業界ですが、特に都市銀行とは「銀証連携」が進み、グループに属する証券会社もかなり増えてきました。

ほかには生命保険や損害保険の業界も関係しており、年金保険や終身保険などの保険商品を取り扱う証券会社も増えました。

また不動産投資信託は近年個人投資家に大変が人気があり、不動産業界も証券業界と深く関わるようになっています。

そしてネット証券台頭の話でも触れましたが、IT業界は証券業界と現在非常に深く関わる業界です。

今後もインターネットを活用したサービスの拡充が予想され、この業界連携はさらに深まると見られるでしょう。

【証券業界】証券業界内でのシェア率

業界研究で業界内シェア率を見る場合、どこが1位かランキングを見るだけでなく、どのような構造になっているかも研究することが大切です。

たとえば1社独占状態なのか、上位がほとんど変わらずシェア争いをしているのかで、今後の業界全体の成長度合いや編成を読み解く材料になるからです。

証券業界に関しては前述した通り、トップ企業である野村證券がダントツのシェアを誇り、シェア率は約52%を誇ります。

2位の大和証券が17%強ですので、圧倒的な差があるといえるでしょう。

業界をけん引しているのは野村證券であり、この企業の動向が業界全体に大きく影響することが理解できます。

ただネット証券に限って見てみると、また違った動向を見ることができるのです。

2019年の売上高では、SBIホールディングスが66.1%のシェア率で1位、次いで2位がマネックスグループで9.8%、3位が楽天証券で8.5%となっています。

【証券業界】平均利益率

平均利益率とは、企業の利益率から平均値を出した数値です。

興味深いのは、こちらの内容で見るとランキングがガラッと変わる点です。

2019年の証券業界利益率ランキングでは1位が松井証券、2位がスパークス・グループ、3位が極東証券でした。

ただ利益率は企業の利益が多くなるほど高くなり、売上からさまざまなコストを引いた残りが基準となるため、コストのかかる従来型店舗を構えている大手企業ほど低く出る計算になります。

2019年6月にはトップ企業である野村証券が店舗数の2割削減を発表しましたが、リテール証券ビジネスの手数料収入が低下する中、やはり固定費の圧縮は必須の流れでしょう。

こうしたことから、国内において店舗数や営業員数を確保する戦略が限界を迎えていることが窺えます。

【証券業界】3業界の将来性・未来予想

業界の将来を予想するには、10年後をイメージするのが一般的です。

企業研究においては専門家の予想なども参考にしながら、ビジョンを描いてみると良いでしょう。

また、現状で考え得る課題を洗い出すことも未来予想の重要なステップです。

たとえば日本では徐々に貯蓄から投資へという意識変化が起こりつつありますが、やはり投資に興味を持つのは若年層であり、そうした層が始めやすい環境やプランを提案できるかが鍵となります。

国外に目を向ければ、日本企業が海外で果たして存在感を示せるかが大きな課題となるでしょう。

現在業界に必要な要素は変化に柔軟に対応する力、言語だけでなく知識や価値観においてもグローバルな思考力です。

それをクリアし世界的な競争力を持つことができれば、投資運用業務へシフトを進め、ソリューションを得ることも可能でしょう。

【証券業界】最後にわかったこと・感想を書こう!

業界研究は単なる情報収集ではありませんので、最後には知り得た情報を整理し、導き出した結果をまとめます。

将来の業界ビジョンや目指すべき方向を盛り込んだ内容を述べることで、評価される業界研究レポートとなるでしょう。

業界の現状を踏まえ、これからすべきことやできることをまとめておきましょう。

企業が担う役割に含めて、自分がビジネスパーソンとしてできることや成し遂げたいことなどを盛り込むのがオススメです。

就活に大いに役立つ資料にもなりますし、自分が想像していたのとは違った業界の側面を見つけることもできるでしょう。

志望を固めたり転換したりするのにも活用できます。

【証券業界】まとめ

業界研究は、目的を明確にして進めることで、就活にとても有利な情報を得ることが可能です。

自分自身のためになることですので、言われたらやるというのではなく、興味と疑問を持って臨むと得るものが大きくなります。

業界研究を踏まえたうえで志望する企業を探し始めると、理想とする職場に出会うことができるかもしれません。

社会構造を把握し、その中で自分に何ができるか、何をしたいかという視点で実施してみてください。

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