皆さんはベンチャー企業というのをご存知ですか? ベンチャー企業という言葉を耳にしたことはあっても
- 「何やら新しいことをやっている」
- 「色々なことをしている」
- 「規模が小さい」
というざっくりとした印象があるだけで、具体的にベンチャー企業とはどのような企業なのかをご存知ない方もまだまだ多いと思います。
就活をする上でも、ベンチャー企業という名前を耳にするけれど、小さい会社というイメージがあるので避けている、という人もいます。
しかし実際にはベンチャー企業にもしっかりとした定義があり、意外に奥が深いのです。
就活が終わってから「ベンチャー企業にも挑戦すればよかった」と思うのではもったいないです。
そこで今回は、ベンチャー企業とは何か、中小企業との違い、そしてまだまだ世間に知られていないベンチャー企業の魅力を紹介します。
目次[非表示]
ベンチャー企業とは?:ベンチャー企業の定義を知ろう
ベンチャー企業には様々な定義があり、その中の代表的なものは「キャピタルから投資を得ている成長企業」というものがあります。
ベンチャー企業はまだまだ事業が成長段階で、資本金や地盤が固まっておらず外部からの出資が必要な場合が多いです。
その問題を解決するために、ベンチャー企業が行っている事業に対して、共感してくれたキャピタルからの出資を受けて経営を行っています。
キャピタルから投資を受ける上では既存のサービスのようなありふれたものではなく、それまで世の中に出回っていなかった革新的な「何か」を提供するという前提が必要になります。
そのためベンチャー企業の多くはまだ世の中に浸透していないサービスや、システム、商品の開発に力を入れており、将来性とリスクをはらんでいます。
この他にベンチャー指定を受けている場合にも、ベンチャー企業に含まれます。
ベンチャー企業とは?:定義がそもそも違う!中小企業との違いを知ろう
次にベンチャー企業と中小企業の違いという部分について説明していきます。
中小企業もベンチャー企業も小規模、あるいは中規模であるということは共通しています。
しかしベンチャー企業に具体的な定義があるように、中小企業にもはっきりとした定義が設けられています。
その定義は業界によって様々ですが、主に資本金、従業員などの定義が明確化しているのが特徴です。
当然それらの定義はベンチャー企業の定義と異なるものなので、ベンチャー企業と中小企業は違うものであるという結論になるのです。
中小企業といえども、最低従業員数はある程度の数に上ります。
対してベンチャー企業の場合には従業員が10人未満、起業時には経営者と従業員の2人しかいない場合なども珍しくありません。
それ故ベンチャー企業への就職を検討する際には、事業内容だけではなく従業員人数、所在地、業務内容などもしっかりと確認しなければいけません。
人数が少ないので当然一人当たりの負担や、任せられる仕事の量も増えるので、自分のキャパシティ、理想の職場像と相談してからエントリーしましょう。
ベンチャー企業とは?:定義がそもそも違う!スタートアップとの違いを知ろう
ベンチャー企業とスタートアップ企業はどう違うのでしょうか。
きちんと理解しておかないと、自分が入りたい企業とは違う企業にエントリーしてしまい、書類の作成や面接に無駄な時間を使ってしまうことになりかねません。
両社の違いを理解し、自分が目指すベンチャー企業が選べるようにしておきましょう。
スタートアップ企業はベンチャー企業の1つに位置づけられることもあります。
ベンチャー企業として位置づけるならば、ベンチャーとして産声を上げたばかりの赤ちゃんや乳幼児といったところです。
この点、ベンチャー企業は通常、これまでになかった新しいサービスや商品を生み出したり、新しい市場を創出したりする企業を指します。
ですが、スタートアップ企業の場合、現在でもあるサービスや商品を提供する起業したばかりの会社を指す場合もあるので注意しなくてはなりません。
ベンチャー企業とは?:定義を知ることで、さらに魅力を知ろう
ベンチャー企業の魅力ですが、最初に思いつくのは、新しい分野に挑戦できるやりがいです。
今まで社会には存在しなかった新しいものを生み出すという高い志のもとに、一人一人が働いているので仕事に対するモチベーションは自然に上がっていきます。
そしてモチベーションの高い人々が集まっているので、将来的に独立をしたい、自分の会社を経営したいと考えている同期や先輩も少なくありません。
そのような環境の中で自分自身もまた新たな可能性を見つけられる職場だと言えるでしょう。
前述したように、一人一人が行うことになる業務の量が非常に多いので、それに比例してビジネスマンとしての成長速度も速くなります。
単純に多くの仕事を振られるだけではなく、若いうちから様々なことに挑戦させてもらえる環境も整っているので、自分自身で積極的に新しいものに挑戦したいという思いが強い人には、波長が合うかもしれません。
ベンチャー企業に向いている人・向いていない人
ベンチャー企業と言っても、特色はそれぞれの企業にあります。
大まかな傾向として、ここではどういう人が向いているか・向いていないかを紹介しましょう。
ベンチャー企業に向いている人
まず、ベンチャー企業に向いている人の特徴についてです。
チャレンジ精神が旺盛
ベンチャー企業に向いているもっとも大きな特徴としては、そもそもチャレンジ精神が豊富なことが重要でしょう。
というのも、ベンチャー企業はすべての仕事が受け身ではなく、時に自分から積極的に作り上げていく必要があります。
マニュアル化などもされておらず、決まりきった形式などが存在しない仕事も多いので、チャレンジ精神が豊富で自分から開拓していくような、開拓者精神のある人に向いています。
ストレス耐性が高い
次に、ストレス耐性が高いことも特徴と言えるでしょう。
ストレス耐性が高いというのは、そもそもストレスを受けても強い、打たれ強いというだけではありません。
仕事に対してのストレスが少ないことや、上手に受け流せることなどもストレス耐性が高い部類に入ります。
いろいろな偏見や制度が整っていないことに対するいら立ちなどが発生しやすいのですが、それを乗り越えていける人に向いているでしょう。
自ら考え、行動ができる人
また、自ら考え、行動できる人も向いています。
ベンチャー企業には自分から行動できる積極性が求められますし、時に自分から動いて積極的に仕事を獲得していかないと話にならないシーンも多いです。
このため、自ら考え、行動できるという点がないとそもそも仕事になりませんし、この点があるだけで積極的に行動できて、リターンを得られる可能性も高くなるでしょう。
ベンチャー企業に向いていない人
その一方で、ベンチャー企業に向いていないと言われる人もいます。
ストレス耐性が低い
まず、ストレス耐性が低い人については、残念ですがあまりベンチャー企業に向いていないかもしれません。
というのも、そもそもベンチャー企業はさまざまな新規開拓を行ったり、時に新しいものを提供したりするための改革などももたらされます。
これらに耐えてより大きな成果を狙える人ではないと難しく、またストレスを上手に受け流すテクニックを持ち合わせていないと辛いときも多いでしょう。
人から指示されて動く人
次に、人から支持されて初めて動く人にも、ベンチャー企業に向いていないかもしれません。
そもそもベンチャー企業にはあまり決まったマニュアルなどがなく、当然ビジネスマナーすら時に無視されることがあります。
このため、自分で考えてベストな選択を作り、その上で行動できる人ではないと仕事をするのが難しいときもあります。
仕事に対する意欲が低い人
最後に、仕事に対する意欲が低い人はベンチャー企業で働くのはあまり向いていません。
そもそも仕事に対する意欲はベンチャー企業で働く上で重要なもので、仕事やその会社に対しての魅力を感じて動く人や、会社の成長にメリットや魅力を感じている人ではないと難しい側面があります。
意欲によって会社を大きくする側面がありますので、意欲が低いと周辺の熱意について行けないという場合もあるかもしれません。
ベンチャー企業で優遇されるスキル
ベンチャー企業は大手企業や中小企業など既存の企業がサービスや商品を提供していないニッチ市場を探し出して、新たな市場を創出したり、これまでになかった新しいものに挑戦したりする、新しい価値を創造する企業です。
新しいものを生み出し、それを育てていき、ブームを巻き起こすとともに、常に次の新たなチャンスや機会を見つけて、新たなチャレンジを続けていくのが基本スタンスです。
常にチャレンジ精神旺盛なベンチャー企業において、どのようなスキルがあれば、優遇されるのかを見ていきましょう。
自走力
自走力とは他人の力を借りたり、手助けを受けたりしなくても、自律して走っていける力です。
ベンチャー企業は1人ひとりの力を重んじ、新人であっても自由裁量を与えられて、やりたいことにチャレンジさせてもらえる気風があります。
一方で、少人数な企業も多く、新人を育成する体制や余裕がない企業が多いのも実情です。
誰かに指図されたり、手取り足取り指導したりしてもらえなくても、自ら考え、自らの力で仕事を進めていけるような自走力があるとポイントは高いです。
ベンチャー企業では常に新しいことにチャレンジしていくので、1人ひとりの社員が時代をキャッチアップしたり、時代に先駆けて何ができるかを考え、創り出したりしていくことが求められており、そのためにも自走力は重要なスキルと言えます。
知的好奇心
ベンチャー企業は常に新しいことを求め続け、果敢にチャレンジしていく企業です。
常に新しいチャレンジをし、これまでにないサービスや商品を生み出すには、知的好奇心が旺盛であることが求められます。
1つの分野などに限定せず、幅広いことに興味を持ち、一度興味を持ったらとことん追求し、自分のものにしていくような人が求められています。
ベンチャー企業は既存の商品やサービスでは対象とならなかったニッチ市場を見出したり、時代が求めるものに先駆けて、新たな価値を創り出したりしていく企業です。
そのためには常にアンテナを張り巡らせ、ちょっとしたことでも食いついていくような知的好奇心の塊である方が向いています。
論理的思考能力
ベンチャー企業ではアイディアを出すだけでなく、それを形にしていくことが求められます。
アイディアを出せば誰かがやってくれるのではなく、自分で考え出したことを実現するためにはどうすればいいかを考え、実現できる道筋を編み出す必要があります。
そのため、論理的思考能力も求められるのです。
ベンチャー企業では社長をはじめ、他のメンバーへのプレゼンをする機会や、取引先企業へのプレゼンを行う機会も少なくありません。
新たなアイディアや実現したいこと、現在のサービスや商品の改善点などを考え、それをプレゼンしてOKをもらうことで、次のステップへと進めます。
そのためには論理的思考能力が必須であり、論理的思考能力を駆使して相手を納得させるプレゼンができる力も求められるのです。
行動力
ベンチャー企業では1人ひとりに裁量が与えられており、自ら何かを生み出して創り上げていくことが期待されています。
そのためには単に考えるだけでなく、考えたことを実際に実行に移す行動力も必要です。
もちろん、やみくもに動けばいいのではありません。
しっかりと考え、論理的思考能力を駆使して、アイディアを実現するための道筋を考えて計画を立て、それを達成するための手段を考えたうえで、実行に移すことが大切です。
きちんとしたポリシーやコンセプトを持ったうえで、スピーディーに行動に移せるスキルが求められてています。
コミュニケーション力
ベンチャー企業では1人ひとりが自由な発想でアイディアを出し合い、自ら計画を立て行動に移して実現させていくことが期待されています。
もっとも、これは自分1人で勝手に行動すれば良く、他人と協力し合ったり、情報を交換し合ったりしなくていいことを意味しているのではありません。
最初のスタートは1人が出したアイディアであっても、サービスや商品として実現に至るには、社内のメンバーの力添えも不可欠です。
また、ベンチャー企業は新たな取引先を見出していくことで新たなビジネスチャンスを見つけていく必要があるため、外部との接触機会も意外にあります。
非対面のインターネットサービスであっても、ユーザーとの情報交換や交流が不可欠です。
そのため、コミュニケーション力も重要なスキルです。
ベンチャー企業に就職するための3つのポイント
ベンチャー企業へ就職したいと思うのなら、ここでは3つのポイントを押さえておきましょう。
また、ベンチャー企業への理解を深めたいなら、こちらの記事も併せて読んでみてください。
経営理念やビジョンを重視する
まず、ベンチャー企業の経営理念や経営ビジョンを重視しておきましょう。
というのも、ベンチャー企業は個性が豊かで小規模な企業が多い分、経営理念や将来的なビジョンがまったく違い、企業によるカラーや成長するためのテクニックが変わってきます。
このため、経営理念や将来のビジョンを重視して選ぶことで、より自分に合った企業を選べるでしょう。
その会社に入社後どう成長していきたいかを明確化する
次に、その会社に入社した後にどう成長したいのかという点を明確にしておきましょう。
その企業に入って自分がどう活躍したいのか、どう成長していきたいのかということを考える必要があります。
自分がどういうことがしたいかを考えて、どう成長したいか、会社の成長にどう貢献できるかを明確にすることが大事です。
自分の成長と会社の成長が両立できるため、どうなりたいかをしっかり考える必要があるのです。
あなたの将来のビジョンを伝える
最後に、ここまで考えたことや自分のビジョンを伝えましょう。
というのも、ここまで考えたことはそのまま自己アピールなどに使うことができますし、エントリーシートや面接のときに活用できます。
また、熱意をアピールできたり、そこから自分にとってより良い企業を探すキッカケをつかんだりすることもできるでしょう。
終わりに:ベンチャー企業とは?定義を確認することがまずは大事
2000年以降ベンチャー企業は年々増えており、これからもその数は増していくと考えられています。
日本最大級のクラウドソーシングサイト「クラウドワークス」を運営している株式会社クラウドワークスも元はベンチャー企業だということは有名ですが、今後はそういった大手企業がベンチャーからも数多く排出されていくことが期待されています。
既存のビジネスモデルとは違う働き方をしたいという人は、ベンチャー企業に目を向けてみてはどうでしょう。